謹賀新年。今年もどうぞリヴァロ家をよろしくお願いします。と言う訳で年末年始大賑わいのJR博多駅シティ9階、飲食店街「シティダイニング くうてん」にある我が家お馴染み「オーグードゥジュール・メルヴェイユ 博多(Augout du jour merveille HAKATA)」から、簡単にブログ初めといこう。

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まずは乾杯。「アンリ・ジロー アルゴンヌ(Henri Giraud Argonne)2008年」を開ける。アルゴンヌの森のオーク樽100%で一次発酵後12ヶ月熟成、8年の瓶内熟成を経る。2008年と言えば、降水量が多く糖分豊かで大きな果実に成長し、収穫時には晴天になり果実も熟した状態で収穫できた。ピノ・ノワール75%、シャルドネ25%。「2008年」は生産量4000本。
この日は「ミシュランガイド福岡2019」で1ツ星を獲得したお祝いと言う事で、小岸明寛シェフ・スタッフの皆さんと乾杯。深めの輝くゴールドが煌めく。はちみつ・ドライなアタック・・樽香の中に精緻に収まった高く美しい酸が長い余韻を醸し出す。

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黒いボックスで運ばれてきたのは「宮崎キャヴィア1983」。宮崎県産チョウザメの国産キャヴィアだ。1983年は宮崎県にチョウザメを持ってきた年。それから30年を経て生産量も上がり評判も定着してきている。
ボックスに入った専用スプーンで頂く。キャヴィアの下にはカリフラワーのムースと毛ガニが潜んでいる。年末には「メルヴェイユ博多」のロゴ入り缶も登場した。

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次は「長崎産車海老」。軽くポシェして五色のソースで彩る。家紋デザインの波佐見焼皿の上にオリンピックカラーと言う訳だ。奥の切り株皿達には小岸シェフらしい細やかで楽しいアミューズが並ぶ。
「椎茸のタルト」は柔らかい風味。「ゴールドラッシュのクリーム」に北海道・共働学舎のチーズ。「アワビ」は小岸シェフらしくニガヨモギとともに真空で五時間蒸して、上にはカラスミを乗せた。フロマージュブランに乗せた「コハダのマリネ」も美味。「マグロ」はフェンネルのピクルスやシーアスパラガスと共に。オイルの風味が生きている。仕入れの工夫や料理の話に会話もはずむ。

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赤の濃淡が美しい「オマール海老」が登場。ブルターニュ産オマール海老のロティは、スパイシーに複雑な味の立ち上がりだ。前菜らしく華やかな色合いで美しくまとめ、あじわいも軽やかに仕上げていた。シソのラビオリ、桃なども添えている。
ソースはパプリカのソースに、オマール海老の味噌の風味豊かなソースも敷かれて。添えられた東南アジア系の自家製スパイスも効いている。オマール海老の旨味を香り豊かに仕上げたプレートにかなり満足する。

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続くスープは「コンソメとウニ」。贅沢に注がれた黒トリュフがウニの棘のようにデザインされている。カサゴや伊勢海老の身で贅沢にとったスープは何とも言えない自然の甘さ!オーストラリア産黒トリュフに包んだ中にホタテのムースと唐津のウニを詰めて五分ほど蒸しあげた。下にも生ウニを敷くという贅沢さだ。仄かな暖かさの滋味深い旨味のスープが疲れた体を癒してくれる。

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さて赤ワインはお勧めの中から「クロ・ド・ラ・ロシュ タストヴィナージュ フェヴレイ(Clos de la Roche Tastevinage Faiveley)1980年」。ブルゴーニュの古酒は少なくなっているがどのような熟成か楽しみだ。透き通った美しいレンガ色。アジアンスパイス、ドライフラワー、ドライトマト、乾燥した赤身肉、煮詰めた鰹節の出汁など熟成のニュアンスが流れ出る。凝縮した旨味を感じるアタックから、熟したブルゴーニュらしい余韻が優しく広がる。

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続く「マナガツオ」は野草のシナガワハギのソースを添えた。バターで軽くアロゼしながら火をゆっくり入れた有明のマナガツオはふっくらとした仕上がり。下にはニンジンのピューレを敷いた。シェリービネガーのソースの酸味に、モンサンミッシェルのムール貝の海の苦味が絡みながら、味わいに奥行きを出す。こちらは温度の上がってきた「アルゴンヌ」とともに楽しんだ。

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「長崎産ヒラメ」は、岩牡蠣とサラダナのソースを敷いてチュイルを飾った。ヒラメはなんと北部九州名物のマジャク(アナジャコ)をペースト状にして包み込んでローストしたものだ。相変わらずチャレンジするねぇエビセンの風味(笑) 岩牡蛎とサラダ菜のソースがバランスを取ろうとする。味的には微妙ではあるが、九州ならではの食材をフレンチに持ち込んだ、そして小岸シェフらしいおもしろさ。かなり和を重ねた複雑の海のニュアンスに包まれた。

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メインの「天草のホロホロ鳥」は全部位を使って贅沢に提供される。手羽の中にはミンチ状にしほろほろ鳥に伊勢エビも練りこんだ。胸肉には黒トリュフを挟んでいる。腿肉のバロティーヌには白レバーと砂肝のコンフィを包んでローストした。ベーコンの白い泡のソースにくわえて、中央にはエキスで取ったクリアなソースが流されて完成だ。
淡白ながら滋味深いほろほろ鶏。その肉質に食べ手が飽きないように、細やかな仕掛けを加えて楽しい食べごたえを演出している。

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デザートは熟した「夕張メロン」半分がドン運ばれてきた。ロマンティックな甘く白い細工にシャンパンをドッと注いで溶かす演出だ。その下のくり抜いた中央には、シャインマスカット・マンゴー・ライチのゼリーなども潜ませていて食べ応えあり。
デセール2品目は「チョコレート三昧プレート」。チョコムースにトンカ豆のアイスにごぼうのコンポートなど。これもショコラ好きにはたまらない盛り沢山の作品だった。
その時々の上質な素材にフレンチの技法をふんだんに盛り込む小岸シェフ。即興的なプレートも多いが、はまった時の破壊力も大きい。ノッている小岸シェフの勢いのある料理を貸切の空間の中で満喫したディナーとなった。