「大相撲九州場所」中ながら、今年はまだまだ暖かい日が続く博多。この夜妻とやって来たのは我が家お馴染み「リストランテ クボツ(RISTORANTE Kubotsu)」、毎年恒例の白トリュフディナーだ。ルイ・ヴィトンのカラフルなモノグラムにまた妻のおねだりが心配な、ホリデイシーズン限定のウィンドウ・ディスプレイを横目に「レソラ天神」4階へ向かう。
窪津朋生シェフの名前を冠したひらまつグループレストラン「リストランテKUBOTSU」。「リストランテASO 福岡・天神」からリブランドして早いものでもう2年か。いつもの個室に入ると、窓から見える警固公園はすっかりイルミネーションでキラキラになり、恒例の列車も通っている。

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今年用意されていた白トリュフはアルバ産。今年のはかなり評判が良いということでかなりの量を仕入れたとの事。満面笑みの窪津シェフが個室に入るや早速披露してくれる。ではいつものように、千葉篤志支配人など馴染みのスタッフらと歓談しながらシャンパーニュで喉を潤して行くとしよう。
シャンパーニュが充実した系列店の六本木テラス「フィリップ・ミル 東京(Philippe Mille Tokyo)」に相談して用意してくれていたのは、「ボランジェ 007 リミテッド・エディション ミレジメ 2011(Bollinger 007 Limited Edition Millesime Magnum)」。近日公開の007シリーズ最新作「NO TIME TO DIE」を記念したもの。

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重厚な木製ギフトボックスには、ガラス製の蓋がつけられてる。これには過去の「007」の映画タイトルがエッチングされている。そして注目はボタンを押すとゆっくりそのガラスの蓋が上に開いていくのだ。思わず一同に笑いが起きる(笑) 妻が面白がって何度も繰り返しいるが、何度見ても皆で「おお~!」と笑ってしまうと言うパーティには最適仕様のもの(動画でも撮ってしまう 笑)
中に入っている黒いボトルには「25」の文字。007映画25作目を記念して特別にデザインされたラベルだ。注がれるシャンパン・グラスは、我が家でもこの季節定番で使っている赤い脚の「リーデル ブラック シリーズ レッド(RIEDEL Black Series RED)」だ。そう言えばレストランエントランスにも、大量の「ブラックシリーズ レッド」が大きな専用ボックスに収納され、クリスマス的にディスプレイされていた。

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グラン・クリュのアイ村のピノ・ノワールのみによるブラン・ドノ・ワール。1829年創業の「ボランジェ」が、ヴィンテージと村を特定したシャンパーニュをリリースするのは初めてだ。
細身のグラスの中を微細な泡が立ち上る。柑橘系のアロマの中心にもブラン・ド・ノワールらしい黒果実の深みが詰まっている。蜂蜜に樽・・高くエレガントな酸が中盤から余韻にかけて伸びて洗練された飲み口を印象づける。
シャンパーニュとトリュフの香りに包まれる中、運ばれて来たのはアートな「秋の一皿アミューズ」。安納芋は、小麦粉とココアパウダーでほっくりと仕上げてスイートポテト風に。ふっくらグジェールは、可愛く枝に刺さっている。

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そして運ばれてくるのは「五島産活け伊勢海老 自家製新しょうが 福岡県産木酢の器で」。生の伊勢海老のタルタルは塩のみで味付けした。見た目は完全に和食であるしひとつ間違えると和食ではあるが、新生姜とバジルオイルの風味が繊細なイタリアンを表現していた。
一見スイーツのモンブランな「フレッシュフォワグラのソテー 木本さんの和栗と種子島産安納芋 白トリュフ」。これは美味しかった。栗のムースを巻いて土台は安納芋だ。安納芋の皮のパウダーを振って、クッキー生地を敷いて食感に変化も付けた。グッと様々な味わいが広がるのも面白い。くるみの食感やねっとりした安納芋を感じながら、フォワグラの脂と絡み合った白トリュフの香りを楽しむ。

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妻が「これ美味しいね、もう一個欲しい」と満足げ。秋と白トリュフを感じられるイタリアンらしい一皿だった。
さぁそんな中シャンパンに続き赤ワインも開けよう。そうだ、我が家を近年担当してくれている重松冬樹ソムリエが、来年は京都に転勤になるとの知らせを聞く!来年3月18日、京都中京区の室町通りに「THE HIRAMATSU 京都」がオープン。ひらまつ初となる都市型ラグジュアリーホテルで、館内には割烹和食とイタリアンレストランが併設されるの事。
私達は寂しくはなるが、彼にとってはオープニングスタッフとして多くの経験を得られることだろう。大いに活躍して欲しいものだ。そんな訳で、重松ソムリエの門出を祝う赤ワインとして、彼のバースデービンテージを開ける事にする。

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それはトスカーナ「オルネライア(Ornellaia)1988年」だ。1981年にボルゲリ地区に設立されたオルネライア。いわゆるスーパータスカンとして不動の地位を築いている。とは言えレストランでなかなか古酒に巡り合うことも少ない。どのような熟成を見せているのか非常に楽しみだ。
オルネライアもシャンパンに引き続き「リーデル ブラック シリーズ レッド」の赤ワイン用グラスに注がれていく。煉瓦色の透明感ある色調。スーボワ、アジアンな妖艶ながら落ち着いたスパイス、黒白胡椒。中心の熟れた果実はまだグッと集中している。それが余韻にかけて口の中で緩やかにほどけ広がるようなイメージ。タンニンはほとんど感じずスムーズな触感がまた上品で洗練された熟成感を楽しませてくれた。

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そんな中登場したのは「白トリュフのパスタ タヤリン」。白トリュフと言えばやはり定番のタヤリンだろう。「細切り」を意味するタリオリーニがピエモンテ州で変化した。その細麺に目の前でガシガシと遠慮なくアルバ産白トリュフを注ぎ落してくれる。卵の風味と白トリュフの香りが調和した王道のおいしさだ。「これもお代わりしたい~」と妻(笑)
更に続いてやって来たのは「福岡県産古処鶏のフリカッセ 森光さんの蕪と白トリュフ」。福岡県朝倉の赤鶏のブランド古処鳥。そのモモ肉とささ身を生クリームと出汁でフリカッセに仕上げた。蕪を桂むきしてベーコンを巻いて、上からは牛蒡のフリットを飾ってアクセントに。もう少し味わいに骨格・深みがあったほうが良いとは思うけれど、柔らかい味わいはまさに繊細なイタリアンを表現していた。

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続く「一口のお楽しみ」は岸田果樹園のジェラート。「はるみ」という「清見」と「ポンカン」を交配した品種だ。刺したミントの爽やかさと共にジャパニーズな奥深いミカンの味わいが口元を爽やかに。
そしてデザートは「リコッタチーズとホワイトチョコレート 白トリュフ」。大牟田のメーカーのリコッタチーズ、そしてバローナのホワイトチョコレート、これに柚子の香りも合わせている。ふわふわの溶けるような食感の後から、柚子と白トリュフ乗り香りが混じり合うとても美味。白トリュフディナーの締めに相応しいデザートだった。最後は紅茶とショコラで締める。

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全体的にボリュームが少なくさっぱりとした味わい。少し物足りなさも感じたが、途中追加やお代わりをしたい欲求が湧いて次回訪問への期待となった?(笑)
この日はイベントと言う事もあり賑やか。聞けば「リストランテ Kubotsu」にリブランドして少しずつ客も増えているとの事、ダイニングも個室も盛況。クリスマス当たりの予約も順調なようだ。もう今年も終わるねとスタッフ達と年末年始の話もしながら、手を振り見送られつつ車に乗り込んだ。帰る道はイルミネーションが煌めいて綺麗だった。