この日向かったのは虎ノ門にある「ホテルオークラ東京」。4年かけて建て替えを完了し、令和元年9月「ジ・オークラ・トーキョー(The Okura Tokyo)」として豪華に美しく生まれ変わった。
17階建ての「オークラ ヘリテージウイング」と41階建ての「オークラ プレステージタワー」の2棟からなって、客室は508室(うちスイートルーム17室)。5レストランに3バー、20宴会場を設けている。オークラ東京旧本館ロビーを設計した谷口吉郎氏のご子息である谷口吉生氏(丹下健三氏の弟子)が、2つのホテルロビーに料飲施設、「オークラスクエア」等の設計にあたっているわ。そうそう「GINZA SIX」も彼が手掛けたよね。

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約2.6haの敷地面積に1.3haの緑地庭園。南に「オークラ プレステージタワー」、中央に「オークラヘリテージウイング」。そしてホテル開業と同時にリニュアルオープンした「大倉集古館」は、日本・東洋の古美術品と近代絵画を中心に、国宝3件・重要文化財13件および重要美術品44件を含む美術品約2500件を所蔵する。ホテル2棟とこの「大倉集古館」3施設に囲まれた空間を国内外の賓客を迎える広場を「オークラスクエア」としている。
そんな訳で我が家も開業早々に、ブランド最上位「日本の美を継承するホテルとして国内外の賓客の迎賓館ともなる」唯一無二のラグジュアリーホテル「オークラ ヘリテージウイング」に宿泊して来た♪

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周辺もドンドン開発されて新しくなる虎ノ門、坂道を上がって行った左側にその2棟が建つ。緑と水盤と回路が美しい「オークラスクエア」の中、手前の中層棟な「オークラ ヘリテージウイング」に車を付ける。
「日本の美のエッセンス」を贅沢に盛り込んだエントランスは、豪華ながら隠れ家的に静謐なこじんまりとした空間。ロビーそのものを日本の床の間のようにデザインしているそう。「錦張りの壁面」や「六角形照明」「菱文」・・オークラらしい伝統美。おお入口正面のこれは、旧本館の大宴会場「平安の間」で使用されていた「三十六人家集の料紙」?!1300年前の上代裂と14~16世紀の間に伝えられた錦・金銀襴・緞子など百種類を張りあわせたあの装飾壁よ。

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そして一際目をひくのは、ロビー奥で自然光に揺れる長く垂れる薄紫色のシャンデリア。なるほど藤の花なのね?!12m以上の吹き抜けに三角形の天板から吊り下げられた藤色のチェコガラス。リラクリスタルがおよそ2200個と言うから壮観。和の空間にありながらゴージャスで繊細に美しく調和しているわ。
そんな真新しい木の匂いと真新しいシャンデリアが輝く中、まだ場所に慣れない少数先鋭フタッフが余裕なく忙しく横切る。ところでお隣の「オークラ プレステージタワー」は、8~25階はオフィスフロアになっている事もあり、もう少しカジュアルな様子の「コンテンポラリーなスーパーラグジュアリーブランド」。2棟とも5階にホテルの正面エントランスロビーを配置する形になる。

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「プレステージタワー」ロビーは旧本館メインロビーを踏襲したデザインで、「オークラ・ランターン」「麻の葉文様の木組み格子」「四弁花文様」などを再現しているわ。色絵磁器の人間国宝・富本憲吉氏の遺作でもある花の姿が西陣純絹のつづら錦に施されていたあの「四弁花文様」が、今回再び龍村美術織物で制作された。それを照らす「オークラ・ランターン」はLEDになっていた。あの六大陸各都市の「世界時計」や「梅小鉢のテーブルと椅子」「行燈」なども旧本館仕様そのままにそこにあった。
ではでは、宿泊した「ヘリテージウイング」を詳しく言っていこう。「日本文化や歴史的遺産を継承した重厚感と気品に満ちたラグジュアリーホテルブランド」が定義で、「ゆっくり紡がれてきた時間が息づく荘厳な雰囲気とホテルオークラの真髄を極めたおもてなしで、至福の時間を過ごしていただくことをブランドの価値観」としているらしい。

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地上17階・地下1階・高さ約75m。6~17階に客室140室があり、うちスイートルームは7室。最上階には256m2㎡の和を基調とした「プレジデンシャルスイート」がある。下階に日本料理「山里」やフレンチ「ヌーヴェル・エポック」「バロンズ バー」、茶室「聴松庵」を設けている。営業上の理由で13階の設定が無いよう。
宿泊したのは上から3番目の「ヘリテージスイート(Heritage Suite)」120m2。まだ新築未使用である事とオークラトップブランドと言う事でお値段もさすが、まるでパリ価格。全体的に「ヘリテージウイング」は旧本館の3~4倍の値付け。オリンピックの影響でここ2年位は東京の高級ホテルはすっかり国際基準価格よ。

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部屋に入ってエントランス、ガラスの仕切り向こうに広がるのは横長のリビング・・120m2より広く感じる。落ち着いた木の温もりとライトグレーにダークブラウンを基調とした和の色調の中、数名優に座れる大きなソファセット、そしてライティングデスク。奥の入り組んだ場所にはキッチンがあり、ミニバーに沢山のミネラルウォーター、ネスプレッソマシンなども。
コーナーに位置し2面に広がる大きな窓の向こう、直ぐ近くにアメリカ大使館がある。少し向こうに目をやると国会議事堂も見えるわ。なるほど迎賓館としても使える「ヘリテージ」ね。開発真っ只中の虎ノ門にあって最新設備であるのに、静かで落ち着いた禅なる空間になっているのは素晴らしい。寝室寄りにある大きなライティングデスクの棚には朱漆塗りの箱。開けてみるとアメニティとしての「扇子」「折り紙」がカラフルに入っていた。

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日本文化が薫るワイドリビングでルームチェックインをする。そこへ運ばれて来たのはウェルカムドリンクと「柚子のシャーベット」。目の前で入れてくれる紫蘇の香漂う京都・祇園「原了郭」の「志そ香煎」。リビングテーブルにはウェルカムスイーツで「シャインマスカット」などのフルーツと、オークラ定番「リーフパイ」が箱入りであった。これらを頂きながらしばし寛ぐ。
ちなみにリビングに繋がる寝室も、木色とライトグレーにダークブラウンで落ち着いた和の色調。ベッドサイドに調光読書灯やタブレット、ACコンセント、USB充電ポート。窓際にある縁側風ベンチが更に和っぽい。そうそうこれも新しい物、ターンダウン時にベッドサイドに置かれるナイトキャップよ。

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ベルギー「ピエール・マルコリーニ(PIERRE MARCOLINI)」がホテル特注として作ったチョコレート3種類。「プレステージタワー」デリカテッセンで販売されるのとは別に、客室で提供されるそれはオリジナルのダークチョコ(カカオ72%)・ミルクチョコ・抹茶チョコ。専用のロゴ入りボンボニエールに入っていたわ。
寝室に繋がる奥まったクローゼットは小さめ、しかも照明の不具合でずっと真っ暗。何度かお願いしたものの2回目以降はスルーだったのでほぼ物置き。そこからバススームに行く廊下に縦に鏡台とコンソールがあり、帯状のライトを埋め込んだ鏡が女性には嬉しい。特別なヘアーブラシも置いてある。

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ここに窓からの景色も広いバスルームは黒い大理石張りで豪華、一角に「スチームサウナ」もあった。浴槽は深めでブローバス。バスローブやタオルもまだ新品な感じが嬉しい。Wシンクで使いやすく、引き出しに歯ブラシなどのバスアメニティ、ダイソンのヘアドライヤーを完備。シャンプーなどのバスアメニティは「パレスホテル東京」と同様、グリーンボトルの英オーガニックブランド「バンフォード(Bamford)」だった。
この部屋はクラブラウンジ利用可なんだけど、わざわざプレステージタワー37階に行くのも遠いので、いつもの様にルームサービスで朝食はお願いする。玉子料理が付いた洋食の「ヘリテージウウィングブレックファスト」と、オークラ定番「和朝食」。

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そうそう朝食ではなくても、日本ブランドのホテルはルームサービスメニューが充実しているのは楽しい。オークラ日本料理「山里」から運ばれる「にぎり寿司」「生ちらし」「お造り定食」「鰻重」「牛すき煮」などなど。
バトラーシステムを採用しているはずだけど、まぁまだそんな余裕もなさそう。設備不備も改善されまいままチェックアウトし、それに対する説明もなかった。ハードが最新で美しい反面、ソフトはまだまだ準備中か・・とにかく勿体ない気分でホテルを後にした。ちなみに「ホテルオークラ東京 別館」は、今後タワーマンション(地上43階)やオフィスビル(地上21階)に建て替える。

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この虎ノ門エリアでは来年、日本初の米マリオット・インターナショナル最高級ブランド「エディション(東京エディション虎ノ門)」を開業予定だし(建築家・隈研吾氏が担当)、ますます活性化して開発進化のイメージになっていくわね。いよいよオリンピックイヤー、さぞ世界中から国賓とその関係者で大忙しの新「The Okura Tokyo」になる事でしょう。