この日訪れたのはお馴染み京都。高級ホテルの開業ラッシュに沸いて、今年いよいよ11月に「アマン京都(AMAN KYOTO)」と「パークハイアット京都(Park Hyatt Kyoto)」が開業する。そんな中今回、宿泊先に選んだのは東山五条にある2016年秋開業の「フォーシーズンズホテル京都(Four Seasons Hotel Kyoto)」。年明けに主人出張時一人で宿泊したが、今回は私も一緒よ♪
ビル・ゲイツ氏がオーナーのフォーシーズンズ・ホテルズ(カナダ本拠)、日本国内で京都は3番目、東京以外初となる(ベルジャヤ・コーポレーションが開発)。近くに清水寺・京都国立博物館・三十三間堂などの観光スポットが建ち並ぶ「東山武田病院」跡地に、地上4階・地下2階(敷地面積20433m2・延床面積34632m2)。ホテル客室123室(うちスイートは13室)とレジデンス57室の計180室からなる。

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フォーシーズンズは今後、沖縄県・恩納村(ベルジャヤ・コーポレーションが開発)と東京・大手町(三井不動産が開発)にもホテル開業予定。「フォーシーズンズリゾートアンドプライベートレジデンス沖縄」は本島西岸に総面積は40万km2超で、ホテル客室とレジデンスをそれぞれ120室、ヴィラ40棟を建設。隈研吾氏も参加予定で、24時間営業のレストランやラウンジ、レクリエーション施設に公共グラウンドなどを併設する。総開発費は約443億円で完成まではおよそ4年かかるとか。
さぁと言う訳で車で「フォーシーズンズホテル京都」に向かう。見えてきたのはホテル玄関口へと続くアプローチの長い竹林・・千本以上の竹を使用したと言う100mに及ぶ竹垣には綺麗に化粧縄が巻かれている。後ろに茂る青竹の美しさが際立つ日本らしい空間。茶

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色を基調としたシックな造りの建物が見えてきた。車を降りてロビーに入ると温かみあるベージュ色の大理石が広がり、正面奥やラウンジ横には色鮮やかで大きな紫陽花などが活けてある。館内装花を監修するのは人気フラワーアーティスト ニコライ・バーグマン(Nicolai Bergmann)氏。ここでは彼の事務所のフローリストたちによる日本らしいアレンジメントを各所に配置している。
館内にはレストラン・バー・プール・フィットネスジム・スパなどの施設があり、宿泊者やホテルレジデンスの利用者は全て利用可能。内装は最新設備とモダンなインテリアでありながら、日本伝統の雅な演出する清水焼や西陣織、障子・北山杉・樫木・畳・漆など日本の美学が満載。祝いや子孫繁栄への意味もあるそう。

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積翠園に面した展望用エレベータは、全面ガラス張りになっていて、新緑豊かな庭園を見渡しつつ上下移動できるわ。4階チャペルへの階段アプローチには大きな和紙アート「希望」、京都出身の堀木エリ子氏の作品がある。
ロビーから見下ろす照明ガラス階段下には、吹き抜けで「レストラン ブラッスリー」が広がる。竹をイメージしたデザインが印象的で開放的な空間よ。そうそう5月には、レストラン料理長に古賀隆稚氏が新しく着任したの。
33歳にしてフランス各地の7つの星付きレストランにおいて10年に及ぶ経験をもち、着任前は我が家も伺った「フォーシーズンズホテル ジョルジュサンク パリ(Four Seasons Hotel George V, Paris)」の3ツ星レストラン「ル・サンク(Le Cinq)」で副料理長を務めていたのよ。

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さぁ素晴らしいのは9m高の窓向こうのに望む、ホテル自慢の約800年の歴史を誇る名庭「積翠園」10000m2。元は隣接する「妙法院」の境内だったの。「平家物語」六波羅の項の記述から、平清盛嫡男・平重盛の別邸「小松殿」の庭であったと言われているが、現在の形が作られたのは豊臣秀吉により復興された後の江戸時代元禄と言う。
そんな池を中心とした静かな日本庭園の注目点と言えば、中島に沿って並べられた5つの石「夜泊石」。これは不老不死の宝を積んだ船が港に停泊している姿を表し、長寿延年を祈願するもの。他にも大島へ渡る石橋の下には鯉が泳ぎ、井戸から汲み上げている滝口もあって風情ある。そんな庭の奥には茶室「積翠亭」が作られている。

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茶室に向かう道は整備され歩きやすく、眺めも良い様に樹木も剪定されているが、眺めが良すぎて道と平行に延び連なる客室の中も結構見えてしまう(笑)その茶室「積翠亭」は日本酒・シャンパンを堪能でき、茶道体験やヨガプログラムもできると言う特別な空間。17時から21時まで日本酒&シャンパンバーとしての営業もしているの。
さて、この日宿泊した部屋はそんな「積翠園」を眺望できる上から2番目のスイートルーム「1ベッドルームスイート(100m2)」1泊20万円程度。その上の「プレジデンシャルスイート(245m2+プライベートバルコニー10m2)」は電話予約のみで百数十万円と一気にあがる。そうそう、5タイプある長期滞在向け「レジデンシャルスイート」では、ロールスロイスでの送りサービスや茶室でのウェルカムシャンパンなど7特典付宿泊プランもあるのよ。

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今回の「1ベッドルームスイート」も和モダンなリビングやベッドルームが広々素敵な空間。窓からは積翠園や妙法院の美しい景色。煌びやかな黄金なミラーな一角のダイニングテーブルには紅白梅のエキゾティックなベンチ。そこにはウェルカムアメニティは「ビルカール・サルモン ブリュット・レゼルヴ(Billecart Salmon Brut Réserve)」ハーフボトルと、フレッシュフルーツ「びわとみかん」が置かれていたよ。
1818年設立の「ビルカール・サルモン」は家族経営を続ける職人気質のシャンパンハウス。以前宿泊時も「積翠亭」では創業者ニコラ・フランソワへのオマージュのプレステージ「キュヴェ ニコラ・フランソワ(Cuvee Nicolas Francois Billecart)1999年」を頂いた。こちらのホテルではお馴染みと言った感じ。グラスに注ぐと輝きのあるイエローの中に泡が立上がる。

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甘い蜜にスパイス・・ふくよかながら高い酸がありキリッとしたミネラル感も心地よい。ドサージュは7~8g/ℓ。約40%とリザーブワインが多く複雑さも。大手メゾンには珍しくピノ・ムニエ50%前後と面白いわ。
ダイニングを見渡せば、ミニバーカウンターにはエスプレッソメーカーにティーセット。冷蔵庫もフリードリンクでフリーフードの「豆政 夷川あられ」と「おたべ チョコ八ッ橋」も置いてあったよ♪
リビングのソファセットにも京都特産の西陣織のクッションが雅に並ぶ。ベッドルームから繋がるウォークインクローゼットの奥にはにはドレッサー。ダブルシンク・レインシャワー・バスタブがゆとりある配置。バスルームの他に、玄関横には「シャワー付きパウダールーム」もある。厚手のテリークロスバスローブやタオル、タオルスリッパ。

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バスアメニティは「香りのアカデミー」と称されるイタリア・フィレンツェのフレグランスブランド「ロレンツォ・ヴィロレッツィ(LORENZO VILLORES)」。フォーシーズンズホテルのために特別調香したシリーズなの。
加えてターンダウン時に置かれるのは金箔が散りばめられた純和風のフォーシーズンズ京都オリジナル「竹炭ソープ」。「京都ちどりや」ならではテトラ形に、炭一色で描かれた竹柄パッケージングが印象的。そして「折り紙」。加えて湯船に浮かべる「ちどりやユズバスサシェ」は、優しい柚子の香りがふんわり広がって正に「ゆず湯」気分が楽しめる。
各部屋には「備付のiPad」がひかり、館内案内に加えルームサービスなどもこれで済ませる事が出来る。最先端設備ながら樫木を多用した温かみある和のデザインで、障子・漆・寝具などに至るまで京都の伝統工芸を用いている日本らしい落ち着く空間よ。

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さぁそろそろディナーに向かおう。この夜は前回予告通り、ホテルの3階にある「ミシュランガイド京都」1ツ星の江戸前寿司「鮨 和魂」を主人が予約してくれていた。前回一人で訪れた主人が、私好みの寿司屋だと連れて来たがっていたの。東京・青山「鮨 ます田」増田励氏の技を受け継ぐこちら、夜は2回転する。人気がありこの日は1回転目の予約が取れず、2回転目20時から入った。
エントランスを進んで行くと、シルバーに輝き美しく広がる「職人手造りの錫タイル」壁に8mの国産檜無垢一枚板のカウンター(手作業で仕上げたもの)が伸びる。そこにビシッと決めた職人さん達が並んで、何とも美しい和の景色に思わずため息が出た。なるほど!何て理想的な(私好みの)寿司屋の内装!奥には8名までの個室もあるそう。やや照明を落とした中席に着くと、浮かぶ壁に思わず見とれてしまう。(以下主人からご報告)

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早速飲み物のメニューを見て、まずはグラスシャンパーニュ「ジャクソン キュヴェ No741(Jacquesson Cuvee #741)」で喉を潤す。2013年ベースだ。シャルドネ50%、ピノ・ノワール25%、ピノ・ムニエ25%ジャクソンらしい白い花・ぶどうの実を感じるフルーティな香りにチャーミングな飲み口。それでいて複雑さも兼ね備えるのは4年の長期熟成だからだろう。エレガントな酸と穏やかなミネラルが体にしみいる。
「鮨和魂」では、豊洲から毎日食材が空輸され、季節のつまみと握りを交互に味わう流れになっている。前菜は5品ほどが提供される。まず「雲丹とキャビアの土佐酢ジュレかけ」。爽やかながら旨味あるジュレがシャンパンにもピッタリと合う。「鰹の藁焼き」は品の良い藁の香りがアクセントになった上品な食べ口。

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そこへ登場するのが大きな「蒸し鮑」。大きな器に入っ丸々とした鮑を見せてくれ、妻は目を丸くし「見るだけで幸せになるわね!」とはしゃいでいる。今年はなかなか大ぶりな鮑が上がってこないと言う。それを切り分けて提供される。3時間ほど日本酒・塩で蒸したものだ。口に吸いつくような味わいに魅了された。
続いて「九江のしゃぶしゃぶ」。妻好物の大分のクエ(アラ)をさっと湯に通して提供される。紅葉おろしとポン酢でさっぱりと頂く。クエの持つ脂や仄かな旨味を堪能する。続いて「のど黒の塩焼き」は蕩けるような身質が美味である。
このあたりで日本酒も頂こう。ホテルオリジナルの日本酒は京都・丹後に1947年創業の「竹野酒造」による「フォーシーズンズ京都 特別仕込み」で、京都の「玉川」「澤屋まつもと」、その他「獺祭 スパークリング」「風の森」「醸し人九平次」などもあり色々とお勧めを聞く。

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お猪口もいくつかの中から好きな物を選ぶ。結局チョイスしたのはブルーボトルも美しい静岡焼津の「磯自慢 大吟醸」。きりっとした透明感ある飲み口の中にも米の風味が残る。いわゆる吟香もしっかりあるがくどくなく爽やか。長い余韻は引き締まっており鮨にも合いそうだ。
ではここから4貫ほど鮨となる。妻は小振りのサイズで握って貰う。スタートは「真子鰈」から「伊佐木」。昆布で少し締めた「金目鯛」はシャリと調和する。海の香りに包まれる「とり貝」と続く。バランスの取れた流麗な握りだ。
ここでつまみ「目光の一夜干し」が挟まれる。アツアツの目光を満足そうに頂きながら「やっぱり日本酒が合うよね~♪」とクイクイ妻もご機嫌だ。

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また鮨が続く。程よい脂の「鮪」は佐渡。形も美しく切れ味のある「コハダ」。すきやばし次郎由来の「車海老」は人肌で旨味にあふれている。更に「鰺」、北海道の「つぶ貝」は心地よい歯ごたえと共に味わう。そして「雲丹」と流れてコースの握りは終了となる。
追加で「中トロ」、そして抜群に良かった「コハダ」も。すると「実はシンコも入っています(1貫5千円)」と言う事。もちろん頂こう、これぞ季節を味わうだ。口の中で消え行くような繊細なシンコを、小肌とのコントラストと共に堪能でき満足する。そして「本日の巻物」「お椀」、ふっくらした「卵焼き」を頂き「デザート」で締めくくられた。

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今夜の担当してくれた職人は鷲巣正純氏。穏やかで楽しい話ぶりに、そして何より繊細で丁寧な仕事ぶりに妻も感心していた。彼は東京から入ったと言う事だったので、次は「ザ・ペニンシュラ東京(The Peninsula Tokyo)」4階にオープンしたばかりの「鮨 和魂 東京店」でも会いたいねなどと勝手に話していた(笑)
地元の常連、海外の旅行客がそれぞれ楽しんでいる。食べてのテンポに合わせてストレスなく提供される。ワインや日本酒もそろえており、上品に上質の鮨を味わえる店である。沢山飲んで食べて手を振り店を出る。外は残念ながら大雨だったので予定の「積翠園」夜散歩は諦め、館内をゆっくり歩いてアートを愛でて部屋に戻った。それも楽しいデートであった。続く・・

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