この夜訪れたのは銀座中央通り、いつもの様に「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」で買い物した後の夫婦ラブディナーであります♪ 車を停めたのは「ブルガリ銀座タワー(BVLGARI Ginza)」前、ビル向かいには「カルティエビル」「シャネルビル」、すぐ横には建築家・青木淳設計のソフトダミエファサードが素敵な「ルイ・ヴィトン 松屋銀座店」・・
何とも誘惑が多くて困るわ。そうそう「ブルガリ」と言えば最近某2世の世界最年少アンバサダーが話題となったが、今月は表参道ヒルズに期間限定のポップアップストア「ブルガリ ポップ (アップ)コーン 表参道」がオープンしている(24日まで)。1960年代の映画のセットを再解釈し、鮮やかな光や色の中「セルペンティ」やアクセサリー限定モデル、先行発売のウォレットなどがディスプレイされているの。

20180905bulgari1

と言う訳で私達は大人の「ブルガリ銀座タワー」へ、こちらも早いもので昨年10周年を迎えた。到着したのは9階「ブルガリ ホテル&リゾ-ツ」経営のレストラン「ブルガリ イル・リストランテ ルカ・ファンティン(BVLGARI Il Ristorante Luca Fantin)」。横長のダインングはそんなに広くはないが9mもの吹き抜け天井が開放的。3方囲むガラス張りに映り込むシャンデリアがキラキラロマンティックなの。
インテリアデザインは世界中の「ブルガリホテル」を手掛けるお馴染み巨匠建築家アントニオ・チッテリオ(Antonio Citterio)。そうよ、遂に2022年に日本にも「ブルガリ ホテル 東京」が開業する事になったわ?!三井不動産が東京駅前に開発予定の45階建て超高層ビルの上層階に入る予定で、それも担当するのはアントニオ率いる「アントニオ・チッテリオ・パトリシア・ヴィール(Antonio Citterio Patricia Viel and Partners)」なのよ。

20180905bulgari2

久しぶりの「イル・リストランテ」、見晴らしの良い窓際のテーブルに案内される・・窓の向こうには「ベージュ アラン・デュカス 東京」屋上テラスの「ル・ジャルダン・ドゥ・ツイード」も見える。周りのテーブルは外国人が多く、ダークブラウンとゴールドでまとめられたシックモダンな大人の空間の中、相変わらずスタッフ達は黒いユニフォームでクールな接客だ。
そこへ「シャンパンワゴン」が運ばれて来た。これが似合うレストランが日本には少ないが、複数のシャンパンが冷やされているのを眺めるだけで幸せな気分になるものだ。覗き込むと妻はすかさず「ここはやっぱりドンペリでしょう?私はピンク♪」と機嫌が良い(笑)ここの最上階には「ラ・テラッツァ ドン・ペリニヨン ラウンジ(BVLGARI La Terrazza Dom Perignon Lounge)」が毎年夏期限定でオープンしており、以前に何度か訪れている。

20180905bulgari2b

昨年まではトリニティ・デザインのテーブルやバーカウンター、フィリップ・スタルクの椅子などが印象的だったが、今年は前述の「アントニオ・チッテリオ・パトリシア・ヴィール」がデザインしたインテリアに一新されたようなので、また改めて行ってみたいと妻は話していたのだ。更に今年は「ジェラート・トロリー」も初登場し、ペストリーシェフ ファブリツィオ・フィオラーニ(Fabrizio Fiorani)による
自家製ジェラートとソルベットをコーンスタイルで、また「ブリオッシュ・コン・ジェラート」でも楽しめるようだ。と言う訳で、いつもはシャンパーニュをボトルで頂くところであるが、既に「ルイ・ヴィトン 六本木ヒルズ店」にて「ヴーヴ・クリコ イエローラベル ブリュット(Veuve Clicquot Ponsardin Yellow Label Brut)」を飲んでいたのでバイザグラスで頂く。

20180905bulgari3

それぞれ最新ヴィンテージの「ドン・ペリニヨン(Dom Pérignon Vintage)2009年」「ドン・ペリニヨン ロゼ(Dom Perignon Rose Vintage)2005年」をチョイス。エグゼクティブシェフのルカ・ファンティン(Luca Fantin)はスペイン「ムガリッツ」や日本「龍吟」などで研修し、2009年にこちらの総料理長に着任。
「ミシュランガイド東京」では2011年以来「ブルガリ イル・リストランテ」として1ツ星を獲得している。2015年4月からは彼の名を足して「ブルガリ イル・リストランテ ルカ・ファンティン」と改名した。加えて「アジアのベストレストラン50(Asia’s Best 50 Restaurants 2018)」に初選出の28位(日本から11レストランがランクイン)。唯一の日本在住外国人シェフのランクインだ。

20180905bulgari3b

そんな「イル・リストランテ ルカ・ファンティン」では来週9月11日にスペシャル・ディナーが行われる。ゲストシェフは、若手登竜門の国際コンクール「サンペレグリノ ヤングシェフ」歴代優勝者。マーク・モリアティ(2015年)、ミッチ・リーンハード(2016年)、藤尾康浩(2018年)の3名がシグネチャーディッシュを披露すると言うから楽しそうだ。
さてさて、ではこの夜頂いたディナー「メニュールカファンティン(Menu Luca Fantin)」の話にいこう。イタリア料理をモダンに構成しファンティンシェフの思想が伺い知れるメニュー構成だ。「ドン・ペリニヨン」で喉を潤していると、牡蠣型皿に氷と共に乗せられたオレンジのボール?が運ばれて来た。カカオバターを凍らせ中にはカクテルを潜ませている。カンパリ・ベルモット・ドライジンを合わせたフィレンツェ発祥のカクテル「ネグローニ」だ。

20180905bulgari4

スプーンに乗せて一口で頂く。そこにさらに運ばれてくるアンティパストは5種類。妻は「木綿豆腐みたいなお皿」と笑う。まずフィンガーフード3種類は、トマトウォーターのメレンゲの間にはブラータチーズを挟んだ「マカロン」。そしてパルミジャーノチーズと米粉の「チップス」。定番「グリッシーニ」は生ハムとポテトを練り込んだもの、それをベーコンのクリームで頂く。
後の2種類はフォークで頂く。「カブ」はラズベリーのソースでコーティングしてバーニャカウダのクリームで。「オリーブ」のように見えるものは、野菜のエキスでゼラチンを作ってオリーブに見立てた物。なかにはそれぞれリコッタチーズ、そしてタラのすり身を入れた。素材の味を感じる楽しいアンティパスト。味が不明瞭になりがちだがきちんと味わえる。

20180905bulgari5

さぁいよいよここからコース料理がスタート。まず「旬魚のコンシステンツェ(CONSISTENZEdi pesce)」は、旬の魚介類を8皿の懐石のように提供してくる。白小鉢に浮かぶ様な色鮮やかなそれらに「これまた手が込んでるわね」と妻。デコボコの盆や小鉢をひっくり返して料理を乗せているのも気になる様だ。手前の一列は「マグロのエスカベッシュ」、赤かぶのドレッシングを添えている。
ソテーした「アオリイカ」はスナップエンドウで巻いた。ミズナスのピクルスの上には「北海道産ウニ」だ。二列目は更に手が込んでいる。貝殻に見立てた米のメレンゲの上に「ハマグリ」。「うなぎ」のフリットには赤玉ねぎのピクルスを添えた。北海道産生の「シマエビ」はビスクソースを下に敷いて甲殻類の風味豊かに仕上げた。その他にも「イワシ」、「マダコ」など盛りだくさんである。

20180905bulgari4b

これらも食べ手に楽しさを感じさせつつ、一つ一つきちんとした素材の味わいか口の中に残った。そんな中、ふんわり柔らか多種類の「自家製パン」が登場する。それらに合わせシェフこだわりの12種類のオリーブオイルと4種類のソルトがワゴンで運ばれてきた。中からシェフが特にお勧めと言う、風味豊かでバランスの良い特製「ラッツィオのオリーブオイル」と、甘み際立つ「エミリオロマーニャの岩塩」を頂く。
さて、赤ワインはいつものようにボトルでチョイスしていこう。ワインリストはイタリア中心にとても練ったもので感心する。最近はフレンチレストランでさえ簡略化されたワインリストが増えつつある中、イタリアンとしては別格とも言うべき充実したワインリストに目を見張る。グラスワインやペアリングの流行に対応する必要があるにしても、選ぶべきボトルのないレストランほど悲しいものはない。

20180905bulgari5b

今夜の担当は以前「ひらまつ」グループにいた添田恒平ソムリエ。「少し熟成したエレガントなワイン」と希望を伝えて相談し、お勧め数本の中からトスカーナ「ポッジョ・ディ・ソット ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ・リゼルヴァ(Brunello Di Montalcino Poggio Di Sotto)1993年」をチョイスする。1989年創業ながら今やブルネロを代表するドメーヌの「ポッジョ・ディ・ソット」。
コンテナ業界から転身した門外漢のピエロ・パルムッチが「美しいワインを作りたい」という情熱を実現させた。醸造責任者は「カーゼ バッセ」や「モンテヴェルティネ」も手掛けたイタリア名醸造家・故ジュリオ・ガンベッリ。スロヴェニア産オークの大樽で長期熟成という昔ながらの醸造にこだわるが、綺麗な酒質が特徴のワインだ。サンジョヴェーゼ・グロッソ100%。

20180905bulgari6.png

これは「1993年」というと創業当初の1本。25年ほどの時を経てどのような変化を見せているか楽しみだ。グラスに注がれると深いガーネット色。赤黒果実・ドライフラワー・スミレ・・熟しすぎておらずフラワリー。タンニンは溶け込んでシルキーだが骨格を形作る。美しい酸がエレガンスを引き出す。デカンタしてもらいゆっくりと味わううちに、丸みも帯びてきた。
燻製赤身肉・時間を置いた細スパイス・・様々なニュアンスを複雑に感じるが控えめで優しい。希望通りエレガントで好みな味わいであった。ちなみに担当してくれた添田ソムリエはワインのチョイスも良いだけでなく、こちらの要望を受け止めた上での先回りしたサービスが心地よい。「ひらまつ」イタリアン統括・吉越謙二郎シェフの話などで盛り上がるのも楽しかった。

20180905bulgari6b

そこへ運ばれて来た料理は「キャヴィア アーモンド トマト(CAVIALE mandorle,pomodoro)」。アーモンドミルクで作ったジェラートが涼しげにトマトのジュレの上に鎮座する。宮崎キャビアも添えた。ジェラートボールの中から現れる、キンキンに冷やした「モッツアレラのエスプーマト」と砕いたトマトの冷たさもアクセント。ジュレの仄かな甘味と透き通った酸味が全体をまとめる見事な冷前菜である。
続くのは最初のパスタ「冷製パスタ 毛ガニ(PASTA FREDDA granchio)」。毛蟹のコライユを練り込んだタリオリーニで、熱を入れることにより赤みを帯びた色調が鮮やかだ。少量だが口いっぱいにコライユの風味が広がる。添えた毛蟹のサラダやレモンビネガーのソースが味わいを押さえ優しいアクセントを奏でる。2品目のパスタは「ラヴィオリ トウモロコシ プロシュット・クルード(RAVIOLI mais,prosciutto crudo)」。

20180905bulgari7

ラビオリは中にはフレッシュのブラータチーズとコーン。上にはオーストラリア産の黒トリュフが重ねられ、ブロシュートのコンソメスープが注がれる。トウモロコシのラビオリはやや甘いが、コンソメの深さ・複雑さがバランスを取る。一息付く「口直し」は、これまたコーンで三層になった一品。一番下にはコーンの粒をフローズンにしたもの、それからエスプーマ、グラニテと重ねられていた。
手は込んでいるものの、コーンがこれだけ続くとカジュアルな感じになる気もする(笑) そして次に運ばれたのは「キンキ 塩釜焼き(KINKI al sale)」。北海道産の脂の乗ったキンキは塩釜焼きで仕上げた。キンキの下には少し焦がしたレモンのパウダーを敷いている。様々な調理法で仕上げた北イタリア産のアーティチョークの苦みや食感が満足感を高めてくれる。

20180905bulgari7b

続くメインは「鳩 大麦(PICCIONE orzo)」、宮城の鳩を2プレートで提供してくる。フランクフルト?のような見た目で登場するから驚く。鳩の腿肉の中に鳩のレバーを詰めた1品だ。手で持ってかぶりつくとサクッとした食感に続いてレバーの風味が豊かに広がる。サワーチェリーのソースの爽やかさが味わいのバランスを取ってくれる。更に2皿目は胸肉だ。
しっかり皮を焼いて塩が鳩の旨味を引き出す。下には鳩肉のフォンドボーで炊き上げた大麦が敷かれていた。口にまとわりつくブロードの旨味。大麦の中心部の硬さを感じながら、最後まで鳩の野趣っぽさを堪能できた。さぁお腹もいっぱいなのだがこれから出てくるデザートはボリューミー、しかしイタリアンはこれも重要だ。エスプレッソと共に頂く「イタリアン・ペイストリー(PASTICCERIA ITALIANA)」は、伝統的なイタリアデザートを一口サイズで提供するもの。

20180905bulgari8

スタートの「旬魚のコンシステンツェ」と同様に、最後まで楽しさを提供する趣向である。「マスカルポーネのジェラート」はティラミス風味に。エスプレッソのクランチの食感と共に楽しむ。目立つピンクのトレイは爽やかな酸味のチェリームース、乗せられたチェリー型チョコボールがアクセントだ。更にミニサイズの「カンノーリ」や「レモンのタルト」。そして何より意表を憑くのが、
中華せいろに入った小籠包風の「ボンボリーニ」。ふんわり生地にはたっぷりとオリーブオイルが沁み込まれ、レモングラスの香り漂う(妻はさすがにギブアップ)。最後までルカ・ファンティンの世界観が満載な、アジア風情漂う盛りだくさんのイタリアンコースであった。モダン・イタリアな落ち着いた雰囲気の中で大人がゆっくりと楽しめるリストランテ。客層も女性同士の客、海外からの客などが中心だ。

20180905bulgari8b

以前と比べるとかなり個性的なメニュー構成なので、やはり「アジア ベストレストラン50」方面の評価(ストーリー性や細々した料理)も意識したものなのだろう。帰りにそれぞれお土産に頂いたのはブルガリ・ハンドメイドのチョコレート「チョコレート・ジェムズ(2粒)」。10階の「ブルガリ イル・バール(BVLGARI Il bar)」一角にある「ブルガリ イル・チョコラート(BVLGARI IL Cioccolato)」の(チョコレート工房は8階)、BVLGARIロゴ入りの丸いチョコレートは看板商品だ。
宿泊先の「アマン東京」に戻って、寝酒のシャンパンと共に頂いた。銀座らしいハイブランドによるレストランでありながら味わいも伴っている。それにふさわしい落ち着いたサービスと美酒、そして洗練されたイタリアンを楽しめた満足の夜になった。クリスマスの時期はまた「ブルガリ銀座タワー」に「セルペンティ スパークル」が輝き華やかだろう。妻はまたその時ねと機嫌よく眠りに付いた。

20180905bulgari9