さぁ「ルイ・ヴィトンによる南仏コート・ダジュールの旅」、招待・準備編フィンエアー・ビジネスクラス編カールトン・カンヌ宿泊編ミシュラン星付きレストラン編、と綴って来た。今回はいよいよメインイベント「ルイ・ヴィトン 2019年クルーズ・コレクション・ショー(Louis Vuitton 2019 Cruise Collection by Nicolas Ghesquiere Fashion Show)」の現地実況編と行こう。
昨年のクルーズ・ショーは日本で行われた。我が家も貴重な日本人顧客枠25組50名(世界から顧客・プレス含む総勢600名程)に招待頂き大いに満喫した。それまでのLVクルーズ・ショー会場と言えば、2015年「モナコ大公宮殿前パレス広場」、2016年カリフォルニア・パームスプリングス「The Bob and DoloresHope Estate(ジョン・ロートナー設計)」、2017年リオデジャネイロ「ニテロイ現代美術館(オスカー・ニーマイヤー設計)」、

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そして昨年滋賀県「ミホ・ミュージアム(イオ・ミン・ペイ設計)」。基本のパリコレでもここ2シーズンは「ルーブル美術館」で、その前までは「フォンダシオン ルイ・ヴィトン」でショーを行っている。正に創業者の「旅の真髄」を受け継ぐ、ルイ・ヴィトンならではの建築(アート)を巡るウィメンズ・コレクションと言えるわ。それに続く今年は南仏コート・ダジュール、中でもニースの北西20キロの山麓にある
フランスで最も美しい鷹の巣村「サン・ポール・ド・ヴァンス(Saint-Paul de Vence)」で行われる。つまりウィメンズ・アーティスティック・ディレクター ニコラ・ジェスキエール(Nicolas Ghesquiere)のLV初「クルーズ・ショー2015」と同じフレンチ・リヴィエラね。その当時「コートダジュールにおけるルイ・ヴィトン伝説の原点(1908年ニース支店)を想起させ、旅の真髄とラグジュアリーがひとつになった縁の場所」と言う話だった。

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今回ニコラが契約更新した事と重なって、更に発展するLV次章の幕開けに相応しい場所とも言えるわね。そんな今回の開催地「サン・ポール・ド・ヴァンス」は岩山頂上に石造り民家を密集させて、城壁で囲んだ中世の要塞都市。石畳の小道が迷路状になっていて近代美術が点在し、芸術・工芸家のアトリエやギャラリーも多くある不思議な村。マルク・シャガール(Marc Chagall)のお墓がある事でも知られているわ。そう19世紀から
20世紀にかけて多くの巨匠芸術家がパリから拠点を移した、例えばパブロ・ピカソ(Pablo Picasso)やジャン・コクトー(Jean Cocteau)、アメデオ・モディリアーニ(Amadeo Modigliani)にピエール・ボナール(Pierre Bonnard)、そしてジョアン・ミロ(Joan Miró)にアンリ・マティス(Henri Matisse)などなどアート好きにはたまらない夢の街よ。その北西一角にある「マルグリット・エメ・マーグ財団美術館(Fondation Marguerite et Aime Maeght)」

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が今回の舞台。美術商マーグ夫妻によって1964年に設立された自然と一体化する究極の美術館。夫妻と親しかったミロが紹介した建築家は、ル・コルビュジエ(Le Corbusier)の弟子であったスペイン人ホセ・ルイ・セルト(José Luis Sert)。彼に設計を依頼する。現在は絵画や彫刻・グラフィックアート約9000点を所蔵、うち約500点を展示し、毎年20万人が訪れる。そんな訳で・・前回お話した様に、
ルイ・ヴィトンからの招待で「レストラン アラン ロルカ(Restaurants Alain Llorca)」で豪華ランチを楽しんだ後、急いで「インターコンチネンタル カールトン カンヌ(InterContinental Carlton Cannes)」に戻り皆プロによるヘアメイクを受ける。そして準備が整った夕方、集合時間にロビーに降りて行くと賑やかさにびっくりしたよ。さすがLVがほぼホテルを貸し切っているだけあり、全身所持品隅々に至るまでLV最新コレクションをまとった多国籍の人々・・壮観♪

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階段では記念撮影も華やかに行われている。玄関では皆順番にそれぞれの「LVマーク入り黒塗りメルセデス」に乗り込んで出発して行く。私達もいつものイケメンドライバーくんのお迎えで出発安心。小雨降る中、数十台のそれらがカンヌの街並みから内陸方面に連なる様子はさすがに豪華だった。スイスイグルグル数十分、深い森の中かなり登った丘の上にある「マーグ財団美術館」へ向かう。予定では中腹の駐車場から20分程歩いて
山の自然を感じながら美術館に入るので、ヒール高の靴は変更した方が良いとの事だった。しかし何とか雨は小康状態とは言え急斜面の足元はかなり悪い、予定変更して館門前まで招待客を運ぶ事にしたようだった。LVジャパンのイケメン デヴィッド・ポンゾ(David Ponzo)社長曰く「クルーズショーでは雨が降らない様に毎回祈祷をお願いしている」との事だったので、去年同様ショー前に雨が止んでこのまま「ニコラ晴男伝説」通り無事ショーが行われて欲しいと願うばかり。

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通常車の通らないはずの長く細い濡れた山道に、ごついメルセデスがじわじわギリギリ行き来する(2台通るのは難しい)ので、いくら優秀なイケメンドライバーくんの運転でも乗っているこちらがヒヤヒヤした。車を降りて足早に門に入ると、目前に広がる濡れて輝く緑の庭。奥に向かってのびる小道では、既に先に着いていた招待客がシャンパン片手に写真など撮っている・・ふと右側芝生を見ればミロの「驚くべき美女の到来を告げる赤羽の鳥」や
アンソニー・カロ(Anthony Caro)にバーバラ・ヘップワース(Barbara Hepworth)、左側には大きなアレクサンダー・カルダー(Alexander Calder)の彫刻「支え」、奥にはモビールも揺れる?!ここは何?!雨さらしの巨匠作品・・何と言う贅沢な世界!と一気に興奮して動揺する。見上げればコンクリート打放しに白と煉瓦タイルが美しい建物が緑の中に映える。そこに上がっていく手前では、K-POPグループのオ・セフン(EXO・SEHUN 세훈)がネイビーに白と赤が効いた

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モヘアセーターで立ち話をし、階段中程の庭「シャガールのモザイク画」前ではフランス女優のボンドガールなレア・セドゥ(Lea Seydoux)が、シルバーやゴールドキラキラの白スーツで撮影している。それを横目に階段を上がって行くと煉瓦タイル敷きの中庭「ジャコメッティ・コート(cour Giacometti)」が広がって、奥にはステージが設けられいる。そこではカリン・ハーバート(Karinn Helbert)率いるオーケストラが、
珍しい楽器クリスタル・バシェ(Tôle à voix Baschet/Grande Percussion Baschet/Crystal Baschet)で生演奏・・クリアに響く音色が素敵♪ ここ何シーズンかニコラが使っている私も大好きな仏アーティスト「ウッドキッド(Woodkid)」がキュレート。実は今回のコレクションも彼の作ったデジタル音楽「On Then And Now」が全編に流れていて鳥肌が立ったよ!イギリスのファッション・クリエイティブ・ディレクター グレース・コディントン(Grace Coddington)の

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回顧録「Grace: A Memoir by Grace Coddington」をアメリカ女優ジェニファー・コネリー(Jennifer Connelly)が朗読し(NYで録音)、何と「名古屋少年少女合唱団」の声をミキシングさせていたの♪ これはまた後で触れるとして、この広場にはあの有名なアルベルト・ジャコメッティ(Alberto Giacometti)の人体・動物像が配置されている。ここは招待客が待機する場所でもあったので、「ゲーム・オブ・スローンズ」
サンサ・スターク役で知られるソフィー・ターナー(Sophie Turner)や、「スパイダーマン:ホームカミング」リズ・アラン役のローラ・ハリアー(Laura Harrier)、ここにもいたオ・セフン、LVMH会長ベルナール・アルノーの美しき後継者デルフィーヌ・アルノー(Delphine Arnault)達が歓談している中に、ジャコメッティの像が混じっている状態に見えた。人体を極限的に細く長く表現したその彫刻は、棒のような手足に小さい頭・・そうまさにスーパーモデルの風情だよね??

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奥に進んで更に階段を上って行くと見えて来たのは、この私設美術館のメインと言える「ミロの迷路(Labyrinthe Miró)」。1961年から1981年の間にジョアン・ミロが制作した250点で構成する。そう思った通りここが今回のランウェイよ!!海も見下ろせる美しき庭園に延びる白砂利のラビリンス。ミロは建築家ホセ・ルイ・セルトに迷路を設計させ、陶芸家ジョセフ・ルイース・アルティガスとその息子ジョアン・ガルディ・アルティガス
(Josep Llorens Artigas & Joan Gardy Artigas)と共に大きな「セラミックモザイクの壁」を作った。その他セメント製・大理石製・鉄製・青銅製の作品を配置、正にミロらしいファンタジーとユーモア満載の迷路なの。神話から発想した動物と言う「巨大な石の凱旋門」を越え進んでいくと白く丸っこい「月の鳥」が佇み「太陽の鳥」が飛び、各池には「宇宙の卵」「巨大な卵」。突き当たり地中海を臨む位置にブロンズの「フォーク」が浮かび、更にぐるっと迷路を上がって行くと、

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広場の真ん中にミロらしい色彩の円形「セラミックの日時計」、進んで「神獣的女神」と壁には可愛い「石塔」、華やかな「金のセラミック」、壁に伸びる「巨大なトカゲ」などなどもうミロの世界満載!あちこち目が落ち着かない♪ 到着した本館前、派手なモザイクの壁のエリアには多くの有名人が座っていた。中でもカメラマンが押し寄せていたのはLV今季ミューズである「ラ・ラ・ランド」のエマ・ストーン(Emma Stone)と、
レア・セドゥとジェニファー・コネリーが並ぶ席。そうそう、フランス女優イザベル・ユペール(Isabelle Huppert)やシエナ・ミラー(Sienna Miller)、オ・セフン、タイ女優ウラッサヤー・セーポーバン(Yaya-Urassaya Sperbund)などは、私達のカメラにも気軽にポーズを取ってくれたわ。ちなみに本館内にはジョルジュ・ブラック(Georges Braque)やミロ、シャガールやカルダーそれぞれの部屋に膨大なコレクションが収蔵展示されている。そんな自然とアートが共存する贅沢な中、

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指定された席に着く。ふと見れば今を時めく世界一の嗅覚を持つLVインハウス・マスター・パフューマー(Maître Parfumeur)ジャック・キャヴァリエ=ベルトリュード(Jacques Cavallier-Belletrud)氏が近くの席に!香水の聖地グラース(Grasse)にあるLVの香水工場「Les Fontaines Parfumées(香りの泉)」に行けなかったので、ここでお逢いできて感激、優しい紳士な彼は日本語も交えてお話下さったわ。
そうこうする内に照明が煌々とたかれて、空には大型ドローンが2台飛び始めた!いよいよ始まる。迷路の各所に置かれたスピーカーから交互にジェニファー・コネリーの声が聞こえて来た・・長くクネクネした迷路をファーストルックのクレモンティーヌ・バルカン(Clementine Balcaen)が歩いてくる♪ もうドキドキソワソワ!この瞬間の為に遥々やって来たのだと感無量に。目くるめくニコラ的フューチャリスティックの世界よ!ニーハイブーツのまるでジェダイ女戦士が・・

ん?ほのぼの猫型バッグを持っているわ?!そうだジェニファー・コネリーの朗読、今回のコレクションはニコラとグレース・コディントンとのコラボレーションだ。グレースは長年アナ・ウィンター(Anna Wintour)の右腕だった有名ファッション・エディター、去年の「LVクルーズショー」にも来ていたわ。彼女と言えば広がった赤い髪に愛猫のパンプキンとブランケット。2006年に既に「The Catwalk Cats」シリーズを
出しているが、今回は猫に加えニコラの愛犬レオンとアシルもモチーフにしている♪(LVプレゼントされたステッカーの絵だった) 会場にいたグレースは早くも、オレンジモノグラムに自分のイラストが描かかれたセットアップを着ていたよ。それと同じ柄のバッグなどがショーにも登場した。そんなコラボアイテムは、10月にカプセル・コレクションとして発売されるそう。響き渡るWoodkidサウンドの中に、日本の子供のデジタル声で「そーしよっ」「はいっ」「扉を開けて」「楽し楽し」など

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聞こえてきてテンションアガル♪ 点在するミロのオブジェの中、ぐるぐる長距離を行き来するニコラ的女戦士達♪ また今回は作品数も多く目が足りない!ひらめく女神風白いドレスのエリザ・カルマン(Eliza Kallmann)のおでこには赤い不思議な装飾が施されている・・これは世界的メイクアップアーティストのパット・マクグラス(Pat McGrath)によるもの。ピンクが透けるランジェリー風キラキラベージュ・ガウンの
オーロラ・フランシェ(Aurore Franche)なども可愛い♪ 今回の二コラは未来的で強い女性像でありながら、ふわりと軽やかでフェミニンなスタイルを構築、ヴィンテージな風情も組み込まれている・・またいつもと違った余裕を感じるわ。ワイドショルダーのキラキラスパンジャケットやレザーベルト、フェザートップスにプリーツのドレス♪ パフスリーブやドレープが可愛く揺れてミロの丸い彫刻に呼応するかのよう。柄や色は美術館のタイルやブロンズ彫刻とも相通ずる風情、

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そしてキラキラで豪華、さすがのラグジュアリーLVな上質さとディテール。相変わらず革命的なスニーカー「アークライト(LV ARCHLIGHT)」も、ゴールドなニーハイブーツになっててカッコ良さ倍増♪ 長くゴツイアクセサリー、リッチなファー・・思えば帽子が出てくるのもかなり珍しいわ。懐かしい様で未来的な、そして優雅て力強くてエッジーでゴージャス!神話めいたミロの迷路にゆっくりと歩いてくる天才ニコラ、更に大きく芸術的に
進化して行く彼の姿に皆拍手喝采でショーは締められた。現代芸術や近代建築、そしてフューチャリスティック好きな私的にはもう夢の様な時間で、1分1秒が惜しくて仕方なくこのまま時が止まれば良いのにと、本気で思わずにはいられなかった。20分程度の夢の世界「もう終わっちゃった~・・」と迷路を降りながら寂しい気持ちになる。こんな素晴らしい体験をさせてくれたルイ・ヴィトンには感謝しかない。そして歩きながらびっくり!雨が降り出した!

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ショーが終わった途端一気に雨が降り出したよ?!「ニコラのファッションショーで雨は降らない」と言う最強晴男伝説がまた更新された!終わった途端の雨に皆どよめくわ。私達はすぐに、予め用意していたコンパクト軽量なLV初の折りたたみ傘「パラプルュイ・オンデー“モノグラム”」を開いた。ワンタッチ式で使い勝手も抜群(周りも感心する 笑) しかも早々に案内されて美術館門前に待機していた美術館専用カートに乗り込めた。
ここから1キロ程降りた駐車場に着くと、数十台の「LVマーク入り黒塗りメルセデス」がズラッと勢揃い、担当のドライバー(車)が手際よく呼ばれる。大雨降り出す中サッとそれに乗り込み、数十分かけてアンティーブ(Antibes)に皆一斉に向かう。今度はそこでアフターパーティーが行われるのだった~♪ と言う事で綴ってきたゴージャス「ルイ・ヴィトンによるコート・ダジュールの旅」も次回が最終回。フィッツジェラルド的ゴージャスパーティーへ続く・・

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