2006年に「特例中の特例」で開業した「ハイアットリージェンシー京都(Hyatt Regency Kyoto)」。我が家も300年以上の歴史を誇る日本最古の旅館「俵屋旅館」を宿泊基本としながらも何度かお世話になった。規制から誘致へ方針転換した事から今や高級ホテル開業ラッシュとなっている京都市。これまで禁止だった住居専用地域に「超高級ホテル」を限定特例とし開業許可、
加えて施設内は「伝統的かつ超近代的な京都発の伝統産業製品や素材を採用すること」も条件とした。近年京都へ進出した外資系高級ホテルと言えば、鴨川のほとりに建つ我が家お馴染みの「ザ・リッツ・カールトン京都(THE RITZ-CARLTON KYOTO)」、東山三十六峰を望むマリオットグループ最高ブランドね。そしてスターウッドホテル&リゾートの「翠嵐 ラグジュアリーコレクションホテル 京都(Suiran A Luxury Collection Hotel Kyoto)」、更に今後注目なのは2019年に開業予定の「パークハイアット京都(Park Hyatt Kyoto)」。

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世界に38軒あるハイアット最上級ブランド「パークハイアット」、日本ではこの京都が新宿「パークハイアット東京(Park Hyatt Tokyo)」に続く2軒目になるわ(3軒目ニセコのオープンも決まっている)。清水寺エリアの二寧坂に面した「料亭 京大和」の敷地一部を竹中工務店が賃借し、既存木造の地上2階・地下4階を建設する。幕末に尊王攘夷派が会議をした「翠紅館」や料亭と調和した70室程度のスモールラグジュアリーとなる。
インテリアデザインを担当するのはこれも我が家お馴染みの虎ノ門「アンダーズ東京(Andaz Tokyo)」を手掛けたトニー・チー(Tony Chi & Associates)氏との事。さて今回の京都訪問は、去年日本開催となった貴重な「ルイ・ヴィトン 2018年クルーズ・コレクション(Louis Vuitton Cruise 2018 Fashion Show by Nicolas Ghesquière)」に招待されて以来。その時は祇園・四条通沿いのデザイナーズホテル

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キザシ・ザ・スイート祇園・兆(GION KIZASHI THE SUITE)」に宿泊した。17世界文化遺産と2000の寺社仏閣がある歴史深い京都市、年々外国人観光客が増して人で溢れかえる・・色んな意味で様変わりし日本人がゆっくり散策する風情は難しくなったかも。そんな今回、宿泊先に選んだのは2016年秋に東山五条にオープンした「フォーシーズンズホテル京都(Four Seasons Hotel Kyoto)」。
御存じビル・ゲイツ氏がオーナーのフォーシーズンズ・ホテルズ(カナダ本拠)、日本国内で京都は3番目、東京以外初となる(日本初進出のベルジャヤ・コーポレーションが開発)。近くに清水寺・京都国立博物館・三十三間堂などの観光スポットが建ち並ぶ「東山武田病院」跡地に、地上4階・地下2階(敷地面積20433m2・延床面積34632m2)。ホテル客室123室(うちスイートは13室)とレジデンス57室の計180室からなる。ちなみにフォーシーズンズは今後、

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沖縄県・恩納村(ベルジャヤ・コーポレーションが開発)と東京・大手町(三井不動産が開発)にもホテル開業予定よ。そんな訳でこの日、いつもの様に外国人でごった返す「伏見稲荷大社」でお参りを済ませた後、待たせた車で「フォーシーズンズホテル京都」に向かう。見えてきたのはホテル玄関口へと続くアプローチの長い竹林・・千本以上の竹を使用したと言う100mに及ぶ竹垣には綺麗に化粧縄が巻かれている。
後ろに茂る青竹の美しさが際立つ日本らしい空間。茶色を基調としたシックな造りの建物が見えてきた。車を降りてロビーに入ると温かみあるベージュ色の大理石が広がり、正面奥やラウンジ横には春らしく早い桜が活けてある。そうそう、フォーシーズンズホテル京都の装花を監修するのはかのフラワーアーティスト ニコライ・バーグマン(Nicolai Bergmann)氏。「シャングリ・ラ ホテル東京」開業時から彼の作品を紹介して来た我が家的には、今の彼のスターぶりにはびっくりするわ。

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ここでは彼の事務所のフローリストたちによる日本らしいアレンジメントを各所に配置している。館内にはレストラン、バー、プール、フィットネスジム、スパなどの施設があり、宿泊者やホテルレジデンスの利用者は全て利用可能。内装は最新設備とモダンなインテリアでありながら、日本伝統の雅な演出する清水焼や西陣織、障子・北山杉・樫木・畳・漆など日本の美学が満載。祝いや子孫繁栄への意味もあるそう。
4階チャペルへの階段アプローチには4m×2.7mの大きな和紙アート「希望」、京都出身の堀木エリ子氏の作品がある。七色に染めた色糸が漉き込まれ、柔らかい空気感が心地よいわ。そうそう、3階には「ミシュランガイド京都・大阪2018」1ツ星を獲得した江戸前寿司「鮨 和魂」がある。東京・青山「鮨 ます田」増田励氏の技を受け継ぐ。築地魚河岸から食材を毎日空輸で取り寄せ、山口将司氏が握る江戸前が食せるわ。そしてロビーから見下ろす下階には、

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吹き抜けで「レストラン ブラッスリー」が広がる。竹をイメージしたデザインが印象的で開放的な空間。4月初旬まで安藤人形店の七段飾り・京雛も飾ってある。何より素晴らしいのは、9m高の窓向こうのに望む、ホテル自慢の約800年の歴史を誇る名庭「積翠園」10000m2。広々スタイリッシュなオープンエアテラスのソファに座って静かに眺めるのもいいわ。元は隣接する「妙法院」の境内だった積翠園。
「平家物語」六波羅の項の記述から、平清盛嫡男・平重盛の別邸「小松殿」の庭であったと言われているが、現在の形が作られたのは豊臣秀吉により復興された後の江戸時代元禄と言う。そんな池を中心とした静かな日本庭園の注目点と言えば、中島に沿って並べられた5つの石「夜泊石」。これは不老不死の宝を積んだ船が港に停泊(出入りも?)している姿を表し、長寿延年を祈願するもの。京都では他に「西芳寺」や「金閣寺」にもあるの。

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他にも、大島へ渡る石橋の下には鯉が泳ぎ、井戸から汲み上げている滝口もあって美しくインスタ映えする。樹木は桜・梅・つつじなどの季節華やかな花や、池周りには紅葉、クスノキ・アラカシ・竹・松・檜など常緑樹も多く四季を通じて景色を楽しめる様になっている(冬は雪景色も)。また、素晴らしい事に庭の奥には茶室「積翠亭」が作られている。茶室に向かう道は整備され歩きやすく、眺めも良い様に樹木も剪定されているが、
眺めが良すぎて道と平行に延び連なる客室の中も結構見えてしまう。プライバシーは思ったよりお互い明らかなのでご注意を(笑) その茶室「積翠亭」とは日本酒・シャンパンを堪能でき、茶道体験もできると言う特別な空間。と言う事で17時から21時まで日本酒&シャンパンバーとしての営業もしている。チェックインして一旦部屋で寛いだ後、オープン時間を待って早速主人が訪れてみると貸切状態でラッキー♪ 厳選日本酒やシャンパーニュを「積翠園」やホテル側を眺めながら楽しめる。

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ホテルオリジナルの日本酒は京都・丹後に1947年創業の「竹野酒造」によるもの。その日本酒ラベルはこちら限定の大下倉和彦氏による高蔵染で、華やかな丹後の金通しちりめんを使い1点ずつ違うのが特徴。「京都利き酒セット」はこの「フォーシーズンズ京都 特別仕込み」と京都を代表する日本酒2種「玉川 大吟醸」「澤屋まつもと守破離 秋津特級地区山田錦」が組んであった。
その他の日本酒で言うと「風の森 アルファType2 純米大吟醸」「平安四神 レッド 純米大吟醸」「醸し人九平次 Human 純米大吟醸」など1杯3000円程度。そんな中主人は目的のシャンパーニュをグラスで頂く。あったのは「ビルカール・サルモン(BILLECART SALMON)」のラインナップ4種。1818年設立の老舗「ビルカール・サルモン」は「傑出の証」をモットーに家族経営を続ける職人気質のシャンパンハウス。創業者ニコラ・フランソワへのオマージュとして

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1964年にリリースされたプレステージで良年のみ作られる「キュヴェ ニコラ・フランソワ(Cuvee Nicolas Francois Billecart)」の、「1999年」がメニューにあったのでお願いした(1杯8600円)。以前自宅で同「1999年」や「2000年」を何本か開けている。主人の感想は以下・・ブラックのラベルが光るボトルから、流れるややグレーかかった美しいイエローの泡が夕日に美しく映える。
開けたてが提供されたので嬉しい。柑橘の皮、時間と共にクロワッサンのようなイースト香、白い花の芳香さも出てきて、フレッシュな酸が広がる。温度をあげるとややオイリーさと蜂蜜様の雰囲気も微かながら感じられ、香りのバランスは良くなる。ステンレスタンクらしい味わい、クリーンで上品なアロマが丁寧な造りを物語る。ドライな余韻が後味を引き締める。「1999年」と言う事で果実の甘みと旨みが程よく統合していた。今まで「キュヴェ ニコラ・フランソワ」は

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相性が余り良くなかったのであるが、今回は保存状態も良く、何より「積翠亭」と言う特別な空間を一人独占し、食前酒「キュヴェ ニコラ・フランソワ」として味わえた事が良かった。・・との事(笑) ちょうどその頃、部屋で寛ぐ私の元へウェルカムアメニティが運ばれた。それは「ビルカール・サルモン ブリュット・レゼルヴ(Billecart Salmon Brut Réserve)」ハーフボトルと、あまおうなどの「フルーツ盛り合わせ」。
そう言えば以前この時期、早桜に合わせ「ビルカール・サルモン ブリュット・ロゼ」を東京・六本木「JGジャン-ジョルジュ東京」で開けたのを想い出した。桜ピンクもまた開けてみよう♪ この日宿泊した部屋はそんな「積翠園」を眺望できる上から2番目のスイートルーム「1ベッドルームスイート(100m2)」16万円程度。その上の「プレジデンシャルスイート(245m2+プライベートバルコニー10m2)」は電話予約のみで120万円超えで一気にあがるわ。

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和のデザインがちりばめられたモダンなリビングやベッドルームの窓からは、積翠園や妙法院の美しい景色が広がり、なるほど納得の空間。ミニバーカウンターにはエスプレッソメーカーにティーセット。煌びやかな黄金なミラーな一角のダイニングテーブルには紅白梅のエキゾティックなベンチ、リビングのソファセットにも京都特産の西陣織のクッションが雅に並ぶ。ベッドルームから繋がるウォークインクローゼットの奥にはにはドレッサー。
ダブルシンク・レインシャワー・バスタブがゆとりある配置。そうだバスルームの他に、部屋エントランスには「シャワー付きパウダールーム」もあったの。厚手のテリークロスバスローブやタオル、タオルスリッパ。バスアメニティは「香りのアカデミー」と称されるイタリア・フィレンツェのフレグランスブランド「ロレンツォ・ヴィロレッツィ(LORENZO VILLORES)」。フォーシーズンズホテルのために特別調香したシリーズだそう。加えてターンダウン時に置かれるのは

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金箔が散りばめられた純和風のフォーシーズンズ京都オリジナル「竹炭ソープ」。「京都ちどりや」ならではテトラ形に、炭一色で描かれた竹柄パッケージングが印象的。ベジタブルオイルをベースに竹炭・金箔・天然レモン・ミント・ユーカリなどのアロマオイルで作られている。あ、これもあった、湯船に浮かべる「ちどりやユズバスサシェ」。優しい柚子の香りがふんわり広がって正に「ゆず湯」気分が楽しめた。
無農薬・契約栽培の柚子皮を原料とし乾燥加工したもの。合成香料や保存料など一切使用していないので安心して使えるわ。最先端設備ながら樫木を多用した温かみある和のデザインで、障子・漆・寝具などに至るまで京都の伝統工芸を用いている日本らしい落ち着く空間・・そんなスイートルームで面白かったのは、「備付のiPad」による便利なホテルサービス。館内案内に加えルームサービスなどもこれで済ませる事が出来るの。つらつらiPadで遊んでいると主人が茶室「積翠亭」から戻って来た。

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部屋に届いた「ビルカール・サルモン」に笑っている。さぁそろそろディナーに向かう準備をするわ。聞けばホテルロビーでは毎週土・日曜日の18時より、舞妓さんによる華麗な舞が披露されているとの事。舞のあと舞妓さんがレストラン・ラウンジ・茶室に挨拶に回るらしく、一緒に写真撮影も出来るので外国人観光客に人気だそう。ちなみに翌朝はルームサービスで、大正ロマン風ダイニングにてのんびり朝食を頂いた。
「アメリカンブレックファスト」の中身は幅広いチョイスから選べ、焼きたてサクサクのパン・オ・ショコラなどが入った「ベーカリーバスケット」トースト、フレッシュジュースとホットドリンク、自家製ヨーグルトにプレーンオムレツ、各種ソーセージなど、どれもちょうど良い味わいで美味しく頂けた。こちらのホテルの人気ベーカー井上健将氏と言えば、我が家お馴染み「ジョエル・ロブション」や「メゾンカイザー」で腕をふるった経歴の持ち主よ。

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と言う訳で過ごしやすい早い春の、あっと言う間だった「フォーシーズンズホテル京都」ジャパニーズ・モダンラグジュアリーなステイ。次回はそんな宿泊先から向かったディナー、我が家お気に入りの京都フレンチ「レストラン モトイ(Restaurant MOTOI)」のお話をするわ。続く・・・