謹んで新年のお祝いを申し上げます。お蔭様で我が家も良き新年を迎えることができました。本年もよろしくお願い申し上げます。「年越しそば」で金運アップを祈願するうち、年が明けてお正月。「お屠蘇」で邪気をはらい、年神様へのお供えである「おせち料理」を頂くのがまず最初の楽しみよね。我が家では毎年、私が必死に作る「自家製おせち」と、飲食店にお願いするおせちを並べて楽しむ訳だが、
今年は基本の「正統派和おせち」に加えて前菜的に「洋おせち」もお願いした。まずは年越し用の「洋おせち」から紹介しよう。去年7月、福岡県宗像市にある「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」8資産が、世界文化遺産へ登録される事になった。審議会では「古代の祭りのあとがほぼ手つかずの状態で保存されており、現代でも神聖な島として信仰の対象であることが世界的に見ても顕著」と評価された。海に浮かぶ沖ノ島の「沖津宮」、大島の「中津宮」、

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陸にある現大社内の「辺津宮」を合わせて「宗像大社」と言い、この三社を直線で結んだ先が大陸に繋がる事から、古代から「神の道」と呼ばれている。そして「新原・奴山古墳群」「沖ノ島」、沖ノ島へ渡島する際の鳥居の役割を果たしている3岩礁「小屋島」「御門柱」「天狗岩」が、登録8資産となるわ。太宰府から玄界灘に向かう宗像地区は4~9世紀の間、大陸に繋がる重要な海上ルートとされていた事から、
遺跡・神宝など約10万点が残っている。太宰府の「九州国立博物館」には海の正倉院と題してそれらの貴重な品々を展示している。「宗像大社」は「宗像三女神(田心姫神・湍津姫神・市杵島姫神)」を祀る、いわゆる日本各地に7000弱ある「宗像神社」「厳島神社」などの総本社。奥に入って行くと、それら神社名の記された小さな祠(末社)がズラッと本殿を囲んでいるので圧倒されるわ。奥の山上(高宮)には伊勢神宮から賜った社があり、静かで神聖ないかにもスピリチュアルスポットと言う感じ。

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「裏伊勢」とも称されるわ。そして沖ノ島の「沖津宮」は、古来より今でも一般人立ち入り禁止、宗像大社の神職のみ禊後上陸許可される(女人禁制)。大島「中津宮」は一般参拝できるし、「沖津宮遙拝所」からは沖ノ島の影も拝見できる。そんな大島は実は「七夕伝説発祥の地」で、中津宮に流れる「天の川」を挟んで織女・牽牛の両社があり、旧暦7月7日には七夕祭りや星祭が開催されている。
そんな島々を臨む絶好の場所が神湊、泊まったのはもう数年前か。福岡市から1時間強離れた郊外のリゾート地、宗像・神湊にある「オテル グレージュ(HOTEL GREGES)」。以前2度程「美食パーティー」に参加した際に宿泊もした。そうそうこの時は、ホテルから全長8.5mもある白い「ハマーリムジン(HUMMER LIMOUSIN)」が我が家まで迎えに来た。ルーツはアメリカ軍用車と言う総重量約4500kgの大きな車体はさすがに目立つね(笑)

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フロントバンパーはハマーの代表的な4WD、排気量が6Lある。黒レザーのラウンドソファーに黒いフカフカ絨毯、後部座席(部屋)は定員8名だけど、2人でゆったり過ごして丁度良い。ソファーに寝そべって天井を見上げると、赤くキラキラ浮かび上がる「七夕伝説 天の川」のイルミネーション♪見とれちゃう。ライトアップで青白く浮かび上がるバーカウンターにはクラッシュアイスがびっしりで、お願いしたシャンパン
「ルイナール ブラン・ド・ブラン(Ruinart Blanc de Blancs)」が良く冷えてた。ちなみに昨年よりホテル送迎車に「ロールスロイス・ファントム(Rolls-Royce Phantom)」が加わっている。到着したのは神々が宿る「宗像三女神」の地・・海沿いに白く輝く「オテル グレージュ」。この小さなリゾートホテルは全館カッシーナ・イクスシー(CASSINA IXC)プロデュースよ。シンプルシックなカトリーヌ・メミ(Catherine Memmi)の作品を中心にオーダーしたアイボリーの家具は、

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清々しくも落ち着いた空間を演出している。スイートルームの広いテラスから臨む荒々しくも美しい海を眺めながら、神々しい「神の島々」を想った記憶がよみがえるわ。と話が長くなったが、実は今回お願いした「洋おせち」は、祝世界遺産登録の縁起担ぎで、ここ「オテルグレージュ」の「2018年 三段おせち デギュスタッション」なの(笑) 年末毎年、同宗像の鐘崎漁港には獲れたて直送の
天然ふぐ刺し」もお願いしているしね。「オテルグレージュ」の兵頭賢馬総料理長と言えば、「ボキューズ・ドール 2017」日本代表選考「ひらまつ杯 2015」の準優勝者。繊細で細やかな料理が印象に残っている。玄界灘の大海原を前に佇むホテルならではの、「良産良消」をコンセプトに作られた三段おせち。壱の重は、サーモンと魚介のパイ包、フランス産伊勢海老のグラタン、ずわい蟹とそのコンソメジュレなど。弐の重は、地元ブランドの「むなかた牛」サーロインローストビーフ、

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牛ホホ肉の赤ワイン煮込み、フォアグラのムースリーヌ・ポルト酒のジュレなど。参の重はデザートで、特製ベルギーワッフル、黄栗モンブラン、トマトとオリーブのパウンドケーキなど。以下続くワインは主人から~。
合わせた年越し乾杯用のシャンパンは私の好きなドメーヌの中から、今年は「ボランジェ ヴィエイユ・ヴィーニュ・フランセーズ(Bollinger Vieilles Vignes Francaises) 2006年」を開けることにした。以前同「1999年」「2000年」を開けている。これはフランスの古い葡萄樹という名前の「ボランジェ」最上級キュヴェだ。全てのボトルにシリアル・ナンバーが入る。「2005年」ビンテージからラベルデザインも変更、ピノ・ノワール100%のブラン・ド・ノワールである事を象徴する黒ラベルになった。ボトルが入った箱は黒基調のシックモダンで重厚な木造りで、金のプレートや皮ベルトが添えられるなど豪華。

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「ヴィエイユ・ヴィーニュ・フランセーズ」は、19世紀後半フランス全土を襲った、葡萄の根に寄生する害虫「フィロキセラ」の被害をまぬかれた、樹齢80年を超える貴重な古木(ヴィエイユ・ヴィーニュ)から作られる。アイ村の2区画「クロ・サンジャック」「ショード・テール」で、栽培法も伝統的な手法が取られ、アメリカの台木との接木は行わずに自根の樹から「アン・フール」という密集状態で植えられている。
馬で耕作、ビオディナミだ。2006年は、少雨で暑い年だったが冬は稀に見る厳しい寒さになった。その後春霜の影響はなく7月猛暑からの8月涼雨、9月のぶり返した暑さと雨で、葡萄には最高の年だったと言う。この生産数は3300本だ。泡は一瞬美しく立ち上がるが、すぐにグラスの中に溶けていく。グラスの縁からはボランジェらしい樽由来のクリーミーで甘い香りがにおい立つ。続いてアカシアの花・粘りを感じる蜂蜜・黄桃・カフェオレ・・・温度が上がるにつれそれらの香りが複雑に交差する。

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しなやかなアタックから柔らかく美しい酸と繊細な旨みが広がる。コクがありながらどこまでもピュア。そんな丸く統合した味わいが長く完成されたエレガントな余韻を構成する。ブランド・ノワールらしいピノ・ノワールの力強さ、そしてボランジェの樽使いが、長い時間とともに柔らかい円熟の味わいを実現していた。以前飲んだヴィンテージから予想していた雰囲気よりも繊細な味わいであった。
と言う訳で続けて開けた赤ワインはメドック格付け1級「シャトー・マルゴー(Chateau Margaux)2003年」。5大シャトーの中では最もエレガントで一般的にも近づきやすいかもしれない。妻がラトゥール派、私がラフィット派であるため、我が家ではレストランと言うよりも自宅で開けることが多い。その意味ですっかりお馴染みだ。同「2002年」は平日に良く開けているし、「2004年」「2000年」「1990年」も複数本ずつ、「1999年」はマグナムで、

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「1988年」「1983年」「1975年」「1970年」なども記憶に新しい。ちなみに「パヴィヨン・ブラン・デュ・シャトー・マルゴー」だと同ヴィンテージの「2003年」を、以前恵比寿「ガストロノミー ジョエル・ロブション(Gastronomie Joel Robuchon)」で飲んでいる。今宵に「2003年」をチョイスしたのは、独特の気候のヴィンテージであるためだ。
歴史的な猛暑だった為、シャンパーニュでも生産を回避するメゾンも多かった。それでも我が家定番の「ドン・ペリニヨン」もいつもよりもふくよかな味わいが面白かったし(妻お気に入りのためセラーで数本寝かせている)、「シャトー・ラトゥール」も味わい深かったが、マルゴーに関しては特別出来が良かったと評価されている。歴史的な猛暑と干ばつによる水不足から早いブドウ成熟で早い収穫となる。当然ながら収穫量も年間生産量も少なく10830ケースだった。

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畑面積78ha、平均樹齢35年以上。カベルネ・ソーヴィニョン75%、メルロ20%、カベルネ・フランとプティ・ヴェルド5%。全手摘み、新樽100%のオーク樽。さて、いよいよパーカーも絶賛の「2003年」を開けていこう。グラスに注ぐ1時間30分前から抜栓したが、一口味わってデキャンタージュは控えてみた。グラスに注ぐと左岸らしいハーブの香りが綺麗に立ち上ってくる。
そのためだろうか熟した「2003年」と言うイメージよりも洗練された印象だ。ブラックベリー・スミレ・甘草がハーブの奥に潜んでいる。アタックはやや軽く、中程度の酸が、熟した黒果実の旨味と溶け込んだタンニンの微かな苦みを押し広げて行く。凝縮感あるもすべらかなタンニンとともに心地良いフイニッシュ。余韻の長さは中程度。ラトゥール好きの妻からすると「ラトゥール2003の方が骨格が大きくて好きかな」との事であったが、

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そのエレガントな味わいは、奥に控えているマルゴーの特徴と「2003年」ヴィンテージのポテンシャルを確かに感じ取れた。ボルドー1級シャトーで言えば我が家は「25年から30年」程度が好み。その意味ではまだかなり早いとは言え、このまま年輪を重ねて行くとまた次のステージに進んで行きそう・・そんな期待の持てる1本であった。と言う訳でお節の話に戻って、
年越し用の「洋おせち」に続き、2018年元旦「正統派和おせち」の話に行こう。やはり日本のお正月はしっかり縁起担ぎの和の品々を味わいたい。加えて「マルゴー」に続き元日に開けたブルゴーニュワインの話も次回しよう。続く・・