京都は祇園・八坂神社の石段下、花街を貫く四条通沿いという絶好の場所にあるのが、デザイナーズホテル「キザシ ザ スイート 祇園 兆(GION KIZASHI THE SUITE)」。「京都を知り尽くしたゲストのために、必要なものだけをご用意しました」と言う謳い文句が気になるわ。この日は日本で開催される「ルイ・ヴィトン 2018年クルーズ・コレクション(Louis Vuitton Cruise 2018 Fashion Show by Nicolas Ghesquière)」に招待されての京都入り。
京都駅で専属の大型黒塗りハイヤー(センチュリー)に乗り込むと、早速宿泊先のそこへ向かった。混雑する四条通沿いに何とか車を停める。商店が並ぶ中こじんまりしたビルの奥、雑然とした土産屋の間を抜けるとエレベーターがある。妖しく派手な蝶の絵にびっくり?!何とも不思議な入口にキョロキョロしちゃう。すると主人が笑いながら「隠れ家って感じ?」・・なるほどそんな言い方もあるね。ミシュランでは4ツ星だそう。

20170615kizashithe1

ふ~ん外国人向けなのかなと?漠然と思いつつエレベーターに乗り込む。2フロア8室で全てがスイートルーム、「これまでの京都にない宿を」との構想から作られた。3階レセプションに着くと更に妖艶な風情に驚く、2009年に開業との事だが年季が入った様なアンティークデザイン。花街や花札と言ったイメージのど派手な絵が、天井や壁に描かれて目を奪われる。4階への階段壁には光琳ロックな白虎が2頭。
そうインパクトあるこれらは木村英輝氏のモダンアート!青蓮院門跡や「レストランよねむら(改装前)」にも彼の作品があったね。季節毎京都に訪れる我が家の定宿と言えば、何度となく紹介してきた名旅館「俵屋旅館」、それとは全く対照的な世界にこれはまた不思議な宿があるもんだと興味が湧いてきた。「キザシ ザ スイート」の経営は雑貨販売などで知られる「くろちく」。京町家リノベーション・古民家プロデュースなども行っている。

20170615kizashithe2

館内インテリアのプロデュースはやはり黒竹節人社長だろうか。そう言えばもう一軒、京都最古の花街・上七軒(今出川通)に今年3月にオープンさせたのが「キザシ ザ スイート 上七軒 億(OKU KIZASHI THE SUITE)」。祇園と同スタイルのホテルで全6室スイートルームだそう。さてこの日宿泊するのは祇園キザシの最上スイート「大竹 304」102m2。受付デスクからも出入りが良く見えるガラス向こうにある。
向かう老化の天井には黒地に艶やかな紅葉、ビルの吹き抜けを利用した日本庭園も臨む。廊下奥突き当たりの扉を開けて「大竹」に入ると、左側の小上がりがなぐりの床になってて、数寄屋造り風の座敷15帖が広がる。朱壁に竿縁天井、床の間には丸障子、襖は金に大竹の柄と妖艶で個性的な和室ね。この座敷では宴席や芸舞妓さんを呼んでのお茶屋遊びも出来ると言うから面白い(お茶屋は紹介して頂ける)。あ~なるほど朱い壁、まるで「一力亭」みたいね。

20170615kizashithe2b

いわずもがな「祇園 一力亭」と言えば歌舞伎「仮名手本忠臣蔵」にも登場する歴史ある格式誇るお茶屋ね。実はこの日の我が家のディナー(ルイ・ヴィトンのパーティー)はその「一力亭」なので、宿泊がこちらと言うのはコンセプト的流れで完璧なチョイス。しかも斜め向かい徒歩数分の場所にあるから便利。さて話は戻って部屋入口を真っ直ぐ行くと、クローゼットとミニバー。
冷蔵庫内のビール・ソフトドリンク・ミネラルウォーターは無料。その壁向こうに洋風の寝室がって「キザシ ザ スイート 祇園」唯一のツインベットルームと言う事(シモンズ社特製ヘブンリーベッド)。ナイトウェアとバスローブ、スリッパがセットされている。タイ「ヨタカ」のチェアと「キューリグ コーヒーメーカー」、空気清浄機も置かれている。寝室の隣、座敷側奥には広々のバスルーム。真ん中に炭酸泉の出る高野槇風呂(ジャグジー)に横たわり、槙の香りが漂う中、

20170615kizashithe3

一面にライトアップされた石庭を眺める造り・・かなり珍しい空間よ。手前はWベイシンでシャワーブースとトイレがある。バスアメニティはイタリア「ミラ・ショーン(mila schon)」。芍薬&バラの香りのシャンプー・コンディショナー・バス&シャワージェル・ボディーローション・ソープ。そうそう「キザシ ザ スイート」はレストランを持たない。食事を部屋で取りたい客には、祇園の数店舗から仕出しを取るの。
正にお茶屋的システム。ミシュラン掲載店や創業350年老舗料亭の京懐石料理が楽しめるそう。仕出しを行っていない店も、こちらの為だけに作っている所もあるとか。確かに食に事欠かない京都、食事の仕方も色々選択肢があるのは嬉しい事よね。そんな部屋「大竹」に入って、まず目についたのは座敷のテーブルに置かれた、ルイ・ヴィトンからの招待状とプレゼント♪ LV山本寛斎コラボの風呂敷が部屋の風情に馴染んでるから不思議。

20170615kizashithe4

届けられた旅行鞄も放置でそれを開けてみると、中には「伏見 月の桂」「白磁網目文 組小椀」「LVロゴ入り 歌舞伎フェイスパック」「LV寛斎コラボステッカー」など。わくわく見ていると既に迎えの時間も迫っていた・・と言う訳でバタバタと新作ドレスに着替えて、「ルイ・ヴィトン クルーズ・コレクション ショー」が行われる滋賀県甲賀市信楽町「ミホ・ミュージアム(MIHO MUSEUM)」に向かうとするわ(車で1時間)。
ショーが終わって夜は、また京都・祇園に戻りアフターパーティーが行われる。「祇園新橋通」を一時通行止めにして「カクテルパーティー」、更に「一力亭」で芸舞妓をあげてのディナーを経て、またこの部屋に戻って来た時の為に「ドン・ペリニヨン ロゼ(Moet & Chandon Cuvee Dom Pérignon rose)2002年」を部屋で冷やしておくようにお願いした。既に「ルイナール ブラン・ド・ブラン(Ruinart Blanc de Blancs)」や

20170615kizashithe5

日本酒を沢山飲んでいたんだけど、最高に美味しいロゼは部屋の朱壁とも相まって、ルイ・ヴィトンを満喫した贅沢な一日を語るのにピッタリだった。翌朝も残して置いたそのロゼと、お願いしておいた「京のおばんざい朝食」を楽しむ。内容は軽く、サワラの西京焼き・だしまき・もぎ麩の田楽・野菜の焚き合せ・抹茶わらびもちなど。ちょうどこの日は京都三大祭の一つ「葵祭(賀茂祭)」だったので、お天気も良いしぐるっと近場を回って、
お土産も沢山買って帰ろうなどと話す。帰りは車まで穏やかな笑顔のマネージャーが見送ってくれる中、道路も歩道も混雑し観光客であふれる四条通をバタバタ後にした。京都最大の観光地である祇園、その中心にある「八坂神社」をすぐ傍に見る好立地。この日八坂神社では「献酒祭」が行われていた。そうね・・それでもやはりこのホテルは夜の花街風情が良く似合う。家族連れと言うよりはお忍び的な色気が漂う大人の世界(お茶屋的)よ。

20170615yasakasan

さぁ来月はいよいよ京都が最も湧く八坂神社の祭礼「祇園祭」が始まる。1日の「吉符入」から31日の「疫神社夏越祭」で幕を閉じるまで、豪壮かつ華麗な神事・行事が正にここ「キザシ ザ スイート 祇園」目の前で繰り広げられるわ。