前回の「準備編」に続き、「ルイ・ヴィトン 2018 クルーズ・コレクション・ショー(LOUIS VUITTON Cruise Collection 2018 Fashion Show)」に招待された幸せな体験記。今回は「現地での出来事」を綴って行くよ。ルイ・ヴィトン ウィメンズ・コレクション・アーティスティック・ディレクターであるニコラ・ジェスキエール(Nicolas Ghesquiere)によると、
カリフォルニア・パームスプリングス「The Bob and Dolores Hope Estate(ジョン・ロートナー設計)」で行われた2016年クルーズ、リオデジャネイロ「ニテロイ現代美術館(オスカー・ニーマイヤー設計)」で行われた2017年クルーズ、そして今回の滋賀県甲賀市信楽町「ミホ・ミュージアム(MIHO MUSEUM)」で行われた2018年クルーズで三部作と言う事。自然に調和するモダン建築と最先端のファッションが融合して、

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何ともゴージャスで幻想的なアートの世界になるのだから素晴らしい!しかもその瞬間、私達もその一部としてそこに存在する・・もうこれ以上の贅沢はないわね(しみじみ)。京都から車で約1時間、導かれたのは滋賀県の山奥にある1997年にオープンした宗教法人所有の美術館「ミホ・ミュージアム」。世界的建築家イオ・ミン・ペイ(Ieoh Ming Pei)がヒマラヤの秘境にある伝説の楽園「桃源郷(シャングリ・ラ)」をイメージして設計した。
これだけ山奥に位置しながら、更に建築容積の80%を地中に埋没させた造りは、まるで巨大なシェルターのようでもある??春・夏・秋の一部限定期間のみ開館しているそう。1983年にプリツカー賞を受賞しているイオ・ミン・ペイは当然有名な作品も多いが、私が観に行った彼の建築と言えばパリ「ルーブル美術館 ガラス・ピラミッド」、ボストン「ジョン・F・ケネディ図書館」「ジョン・ハンコック・タワー」、

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ニューヨーク「フォーシーズンズホテル」、香港「中国銀行香港支店ビル」かな。そうそう「ルーブル美術館」と言えば先月、ルイ・ヴィトンとNYのアーティスト ジェフ・クーンズ(Jeff Koons)とのコラボレーションによる「MASTERSコレクション」を発売したね。コラボ第1弾は、西洋絵画の巨匠ら(ダ・ヴィンチ/ティツィアーノ/ルーベンス/フラゴナール/ゴッホ)の名画を
ジェフによって現代的に再解釈した「Gazing Ball Paintings」を使用したバッグやアクセサリー。ジェフ・クーンズと言えばバルーン・ラビット、我が家的には「ドン・ペリニヨン」の限定特注ケースや数量限定ボックス(バルーン・ヴィーナス)の印象が強いかな。それらのお披露目は前回の「2017-18秋冬ウィメンズ・コレクション」に続きルーブル美術館で行われたが、これも今回のミホ美術館に繋がる物だったのね。

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ニコラのインスタによるショー開催地発表で「ミホ美術館」と知った時は、色んな意味で驚いたけれども「イオ・ミン・ペイのピラミッド」な場所なので納得した。さて車でグングン進んで行こう。携帯電話の電波は悪くなり圏外表示も度々出て、気が付けば全ての画像は未送信だっだ。ハイヤーを降りて敷地に入ると、円形の広場になっていて、それに沿うように「レセプション棟」がある。
スタッフに案内されながら山の方へ上がって行く。しばらく進むとまた門があるが、聞けばそこからの緩やかながら山道も徒歩で登っていくとの事。あれ?ここは施設内専用の電気自動車に乗ると思ってたんだけどね、この人数運ぶのは無理か~。西日が眩しくサングラスは必須。ヒールで上るには少し努力がいる距離と角度、ピンヒールや華奢なサンダル系の人には難儀だったかもしれない。カーブ先に見えて来たのは所謂シルバーに輝くスチールのトンネル。

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湾曲に新緑が映りこんで綺麗で幻想的、何と桜の時期はトンネルがピンクに染まるらしいわ。トンネル中程に見えて来たのは高く長い台?!ベルトコンベアーなのかな?それに沿ってトンネルを歩いて行くと有名な長い「吊り橋」に出た。はるか遠くに見えるガラス屋根の「展示棟」・・そこまで長~く白い道が伸びているのに驚く。これって長~いランウェイなの?!
雄大な大自然の中に浮かび上がる橋梁の真ん中を突き抜ける、何と全長1キロの巨大な「白いファーのランウェイ」。夕日に照らせれてキラキラに輝いてるよ。アーチ状のケーブルが大門の様な風情で、ガラス・ピラミッドな展示棟へ向かう参道と化している。ゲストは一旦メインの円形ステージから左に下り、サイドからトップライトが印象的なホールを越えて展示棟・北館へ入る。明るい日差しの中皆集まってカクテルタイム。

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イオ・ミン・ペイのガラスのピラミッドな屋根(実は茅葺き屋根モチーフ)や日本庭園を拝見しつつ、ドリンク片手に一息付ながらスタートを待つわ。ガラスの屋根にはアルミ製ルーバー(木製に見える演出)が美しく並び、思うより眩しくなく心地よい。窓の外には甲賀の山々・・遠くには施設本部と言う「カリヨン塔」が見える。その横には「神苑」、これも世界的建築家・山崎實設計と言うから豪華すぎる(共に非公開)。
さて、そうこうするうちに、そろそろ座席に移動するように促される。元来た道を戻りつつ展示棟・正面階段下を見ると、円形ステージではセレブな人々があちらこちらで写真撮影中。見掛けた有名人を並べてみると、ミシェル・ウィリアムズ(Michelle Williams)、ジェニファー・コネリー(Jennifer Connelly)、イザベル・ユペール(Isabelle Huppert)、グレース・コディントン(Grace Coddington)、

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ソフィー・ターナー(Sophie Turner)、プルシェンコ夫妻(Evgeni Plushenko & Yana Rudkovskaya)、日本人ではマドモアゼル・ユリア、中田英寿、山本寛斎親子など。そう特に今回注目されたのはその山本寛斎ね。インビテーションとノベルティが彼とのコラボグッズだったので皆意表を突かれたわ。京都を愛した故デヴィッド・ボウイ(David Bowie)の舞台衣装をデザインしていた山本寛斎に敬意を表し、
今回のクルーズではドレスの他、バッグやアクセサリーにも使用したとの事。ちなみに彼と一緒にテンションマックスで写真を撮っているのは、イタリア「MF Fashion」編集長ジャンピエトロ・バウド(Giampietro Baudo)氏(笑) 白いふわふわのランウェイの上を歩いて遊んでいたら混雑して来たので、招待状に書かれた番号を探して席に着く。気が付けば「鹿威し」のコン!コン!と竹が響く音がして、白靄がじんわり流れてきた。

なんとも素敵な演出。自然と一体なっていつの間にか幽玄な世界になっている。空にはドローンが飛んでいるわ。陽も傾く予定時間を15分ほど過ぎた頃、席に着いた皆が一斉に静かになる瞬間が来た。いよいよショーがスタートする?!幻想的に響く鹿威しに続いて流れて来た曲は The Blaze「Territory」・・なるほど!官能的なテクノの響きとエキゾチックで宗教的な声が景色にスゴク合って鳥肌が立つわ。
トンネルの中から登場したファーストルックは何と福島リラ。映画「ウルヴァリン」やドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」で観ていた彼女が、歌舞伎メイクで歩いて来たよ?!そうそう前回の「17-18秋冬コレクション」で使われた曲、映画「ゴースト・イン・ザ・シェル」にも彼女は出演しているね。The Blaze のリズムに合わせて歩く美しきLV女戦士たち、続いて Robynの「Indestructible」が流れて来た。

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もう数年前の曲になるが、こちらはいかにもニコラ好みのサイバーポップなテイスト。今回のコレクションでイメージ出来るのは、侍・着物・修行僧・北斎・能・忍者・歌舞伎・水墨画・・・それは鎧の様なレザーやジャージーのトップスだったり、和織物に見えるジャカードのドレスやジャケット・パンツは松模様だったり。ウエストは帯風で、ブーツや細パンツもオシャレな脚絆風に見えてくる(笑)
そんな和の中にヒョウ柄の毛皮や、歌舞伎面のスパンコールも馴染んで見えるので不思議。前回コレクションで注目のルックになったアティ・ミシェル(Atty Mitchell)は白いパンツと白ブーツでク-ルな着こなし、ピンクヘアーのフェルナンダ・リー(Fernanda Ly)は赤の迷彩で戦闘態勢?! お気に入りのミカ・アルガナラズ(Mica Arganaraz)は今回はシック、ほんと世界でトップ中のトップモデルの仕事を生で見れて感激よ♪

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そうそう!前回コレクションでデビューした江原美希が着ていたのが、黒レースに黄金が散りばめられたロングドレス。ひと際夕日に煌めいて素敵すぎた・・・どれも欲しいと思わず主人を見る(笑) とにかくド派手な寛斎デザインですら、総スパンでありながら未来的クリエイティブに変身していた!さすがニコラ~(感涙)日本の伝統がこんなに洗練されたモードになるなんて驚いたわ。
トリは中田英寿と共にニコラの友人で知られるペ・ドゥナ(배두나)。シャープなレザー甲冑風で最強女戦士張りの登場だったが、さすがに高速長距離ランウェイの疲れは隠せない様子。「早く歩いて強くエネルギッシュに!」と言うニコラの指示だったそうだが、若いモデルでさえ息が切れたと言うから、どんだけハードな要求なんだニコハッ!最後は美しきLV女戦士たちとすれ違う状態で、その指揮官ニコラが登場!ここでも鳥肌。

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ゲストの拍手の中、にこやかにはにかむ彼はとってもキュートだった。大好きニコラがこちらを向いて目が合ったので、慌ててシャッターを切るも興奮してブレた(笑)ニコラの日本への愛情溢れたこのコレクション・テーマは「伝統からモダニティへの進化」、外国人から見た日本がこれほど美しく力強く凛として、未来的に洗練されて正しく表現された事がかつてあろうか?
それも我が日本の地で見事に理想的に完成されたのだから素晴らしい。正に歴史に残るこの瞬間、その一部に加われた事を心から「ルイ・ヴィトン」に感謝するわ。ショーが終ってからもしばらくは、皆お互いを撮影したりセレブに会いに行ったり、興奮冷めやらずな雰囲気の会場。陽もそろそろ落ちる・・その前に山を下りたいわねと、後ろ髪引かれながらも我が家は少し早めに駐車場へ向かう。我が家の専属ドライバーはさすが、既に門前に大型「センチュリー」を待機させていたので直ぐに乗る事が出来た。

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真面目な彼は時計を見ながら「次は祇園新橋通のカクテルパーティーで、京都市長の挨拶がありますので」と車を走らせる。カクテルパーティーの後は花見小路にある朱壁の由緒あるお茶屋「祇園 一力亭」で、ルイ・ヴィトン・ジャパン デヴィッド・ポンゾ(David Ponzo)社長を含めてのディナーパーティーの予定となっていた。う~んまだまだ続く「ゴージャス!ルイ・ヴィトンの京都ジャック」、そんな賑やかな長い夜はまた次回「アフターパーティー編」に続く・・