バレンタインと言えば我が家ではロゼ・シャンパーニュを開けるのが毎年恒例。ホワイトデーもクリスマスも夜桜デートも結婚記念日も妻はロゼを希望する。中でも「ドン・ペリニヨン ロゼ」は鉄板と言えよう。バレンタインの昨夜ももちろん妻の希望によりサイバーピンクラベルの「ドン・ペリニヨン ロゼ(Dom Perignon Rose) 2004年」を選んだ。お気に入りの「2003年」は家でよく開けている。
思えばいつかのピエール・ガニェール氏来日時に同「1995年」を開けたし、京都「レストラン モトイ」で「1996年」なども開けている。バカラ「ドン・ペリニヨン シャンパンフルート」に深いサーモンピンクを注ぐと、クリーミーな泡が立ち上がるがすぐに消えて行く。野イチゴ・薔薇ブーケ・スパイス・ベリー・ドンペリらしいミネラル香・甘い紅茶・コーヒー・・・

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滑らで妖艶な口当たりでまろやかな味わいが上品に広がる。そして微かな苦みが全体をまとめ上げる。スパイシーさも穏やかながら何ともエレガント・・去年飲んだ時よりも統合されて、旨味と飲みごたえが調和していた。実は同「2004年」はもう何本目かの挑戦で、今まではイチゴキャンディの様にかなり甘い香りが先立ち、甘さと苦みのバランスが悪くなかなか飲み進められなかった。
ここに来てやっとこなれてきたと言う感じで良かった。2004年は2003年とは打って変わって天候に恵まれ、夏は涼しく収穫前9月は暑く乾燥し、葡萄は成熟した良い状態だった。「やっぱり別格のロゼね~♪」と今回の「2004年」には妻も満足のようでホッとした。そうだ今月は、京都「レストラン モトイ」でもロゼを開けた。中村尚一郎ソムリエも「ようやく仕入れる事が出来ました」と言うかなり珍しい1本に出会えたのだ。

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それは「セドリック・ブシャール ローズ・ド・ジャンヌ ロゼ・ド・セニエ クリュ・ダンフェール ロゼ(Cedric Bouchard Roses de Jeanne Rose de Saignee ‘Creux d’Enfer’)」。「ローズ・ド・ジャンヌ」は我が家もお気に入りのレコルタン・マニピュランの1つ。レストランでも見かける事は少なく、去年末「インターコンチネンタル大阪」で「コート・ド・べシャラン」見つけた時は迷わずチョイスした。
中でもこれは年間生産300~500本、単一区画0.32haのピノノワール100%ロゼ・ド・セニエとあって入手困難品。グラスに注がれると何とも深く美しい薔薇色。ラズベリー・香水・柔らかなスパイス・・口にふくむと活き活きと細かく弾けていくよう。しかし確かなミネラルの骨格があり、余韻にはかなりの苦みが残る。チャーミングな甘さを感じさせる香りとは一致しない、余韻の好ましい苦みがまた印象に残る。

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予想以上の秀逸な出来具合に思わず中村ソムリエと顔を見合わせながら笑顔で楽しめた。我が家で開けたロゼと言えば、昨年のクリスマスやお花見デートは「ルイ・ロデレール クリスタル ロゼ(Louis Roederer Cristal Rose Brut) 2007年」だった。1974年が初ヴィンテージの「クリスタル・ロゼ」は、お馴染み「クリスタル」同様のゴールドのボックスにオレンジのセロファン。
クリアボトルに赤みがかった美しいオレンジが揺れる。グラスの底から泡が立ち上る様もエレガントだ。桜餅・チェリー・ドライフルーツ・細かく砕いたスパイス・アーモンド・・仄かでチャーミングな甘み。この「2007年」からビオディナミで栽培する葡萄を使用し、ドサージュは8~9gに減らしたと言うが甘めに感じる。

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凝縮感なくやや薄めでありバランスも悪いので値段に比例した味とは言えないが、豪華ランチやデートの乾杯などでは雰囲気を盛り上げてくれるだろう。そしてこれも女性好みなピンク天使「アムール・ド・ドゥーツ ロゼ(Amour de Deutz Rose Brut) 2006年」。アイ村のシャンパーニュ・メゾン「ドゥーツ」が、新プレスティージュ・キュヴェとして発売したもの。
年間生産量6000本限定のうち日本には600本のみ入った。ちなみにこの「2006年」から「キュヴェ・ウィリアム・ドゥーツ ロゼ」はなくなった。グリアボトルに揺れるオレンジがかったピンクの波、そこにクリーミーな泡が煌めく。白い「アムール・ド・ドゥーツ」と同様、パステルピンクのボックス帯には天使のエンボス。

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ピンクゴールドのミュズレは、天使の右手に光るダイヤモンド(ガラス)が埋め込まれておりペンダントにもなる。ピノ・ノワール(アイ、ヴェルズネイ、ブジー)55%、シャルドネ(アヴィーズ、シュイィ、ヴィレール・マルムリー)45%。クリーミーなアタックから、野イチゴの甘い酸味と品の良いミネラル感の後に仄かな苦みを残す。
やや還元的で各要素が統合されていないが、チャーミングさと飲みごたえのせめぎ合う味わい。まだクローズ気味で複雑さには今一つ欠けたが、しばらくするとバランスがそれなりに取れてくる。「ワイン」としてもう少し熟成させたい美しいロゼだった。そしてやっぱり次はこれ、いかにもフェミニンなパステルピンクのボックス・・

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ゴールドのアネモネが浮き彫りになっている「ペリエ・ジュエ ベル・エポック ロゼ(Perrier Jouet Belle Epoque Rosé) 2004年」。ボックスの引き出しに入ったしおりもピンクだ。「ペリエ・ジュエ ベル・エポック」と違ってクリアボトルなので、美しいサーモンピンクが揺れるのが見える。ペイントされたエミール・ガレ(Charles Martin Émile Gallé)のアネモネも優しいピンク色に染まっている。
ボトルネックもピンクゴールドだ。グラスに注ぐと繊細でクリーミーな泡が立ち上る・・かなり甘いタッチにフレッシュな果実の余韻。シャルドネ50%、ピノ・ノワール45%、ピノ・ムニエ5%、ドサージュ8g/l、熟成は6~7年程度。ソフトで穏やかなスパイシーさが、繊細ながらも筋の通った苦みと共に広がる。ラズベリーに若干ベジタブルな要素も感じる。

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香りはさほど複雑性はないが上品でチャーミングな飲み心地。余り杯を飲み進めたい気にはならないが、ロングカクテルのような雰囲気で食前酒として開けると良いかもしれない。そう言えば銀座「ベージュ アラン・デュカス 東京」でも定番リストだったし、味はともかくピンクで可愛いので、明らかに女性に提供すると喜ばれるシャンパンの一つ。
そうだその「ベージュ東京」でいつぞやか飲んだロゼは「ルネ・ジョフロワ ロゼ・ド・セニエ・ブリュット プルミエ・クリュ(Rene Geoffroy Rose de Saignee Premier Cru Brut)」。キュミエール村に1600年代から続くレコルタン・マニピュラン「ルネ・ジョフロ」。ピノ・ノワール100%、セ二エ方式で手間暇かけて造られるロゼは「世界最高峰のロゼシャンパーニュ」と言われている。

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美しく落ち着いた赤い色、ロゼ独特の甘さはなくしみじみ味わえる上品なロゼだった。そして見た目だけで言うと、世界的セレブのパーティーやメジャースポーツの祝勝会などに良く使われるゴージャスなイメージのキラキラゴージャスな「アルマン・ド・ブリニャック ブリュット・ロゼ(Armand de Brignac Brut Rose)」も一応入れておこうか。
1763年創業の家族経営老舗メゾン「キャティア社」の、職人によって手作りされる美しいボトルがウリだ。オスカー賞・ゴールデングローブ賞・MLB・NBA・NFLなどで採用されている事から、特にアメリカで人気(全体の4割を占める)。元々はフランスのファッションブランド「Courrèges」のアンドレ・クレージュ氏がオーダーした物で、その後「エリザベス女王戴冠50周年記念」時に復刻された。

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2007年の販売以来、生産量も少ないため完売が続いているという。よって味はともかく我が家も正月には、黒いラッカー塗装のアタッシケースに3種(ゴールド/ロゼ/ブラン・ド・ブラン)が入った限定の「アルマン・ド・ブリニャック トリロジー(Armand de Brignac Trilogy Gift Set)」を用意したものだ。装飾を施した重厚でピンクゴールドのボトルはさすがに迫力ある。
女性陣はとにかく見た目だけでも良かった様だ笑。ミュズレなどが取り付けられた最後に、磨かれた4つのピューター(スズ主成分の合金)が、熟練した装飾職人の手で1本1本装着されるので、1時間に30本しかできないという。グラスに注ぐといかにもピンクの美しい輝き。ピノ・ノワール50%、ピノ・ムニエ40%、シャルドネ10%で、白ワインに特別に造られた赤ワイン(ピノ・ノワールの古木)12%をブレンドした。

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ラズベリーやストロベリーの香り、口に含むと甘さをまず感じる。その後少し柔らかくスモーキーな香りの後にアルコール感を感じる。見た目優先とは言え、さすがにずっとは飲み進められない味なので、すぐに他のワインを開けたのは言うまでもない。女性中心の華やかなパーティーで乾杯用と言ったところだろう。その他にも我が家の定番ロゼと言えば、ロマンティックな「テタンジェ コント・ドゥ・シャンパーニュ ロゼ(Taittinger Comtes de Champagne Rose)」や、
エレガントな「クリュッグ ロゼ」などは味わい的にもお勧めだ。1843年創業の「クリュッグ」が1983年に世に送り出した「クリュッグ ロゼ ブリュット(Krug Rose Brut)」は、ピノ・ノワール50%、シャルドネ30%、ピノ・ムニエ20%。年間生産量4万ケース。こちらもパステルピンクのラベルだ。グラスに注ぐと美しいオレンジかかったピンクが華やか、泡は溶け込みさっと消えゆく。

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赤系果実・黒系果実の混じり合う深い香り・シナモン・甘露・・アタックから中盤にかけて、熟成のニュアンスを伴った深い甘みがふんわりと存在感を見せる。余韻には熟成した食後酒のような風情も醸し出す。そうそう、ピンクの観音開きギフトボックス付のハーフボトルは、女性へのプレゼントなどにも使える。
そして昨年末にも開けた「ローランペリエ グラン・キュヴェ アレクサンドラ ロゼ(Laurent-Perrier ‘Alexandra’ Grande Cuvee Rose) 2004年」。1812年創業のローラン=ペリエ社。1987年にベルナール・ド・ナノンクール氏が娘アレクサンドラの結婚式のために、密かに醸造していた彼女の名を冠するプレステージ・ロゼシャンパン。ロマンティックな逸話もラブなイベントに使いやすいだろう。グラン・クリュ葡萄で、ピノ・ノワール80%、シャルドネ20%。

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我が家好みのセニエ法、そして5年から10年瓶熟成される。グラスに注ぐと濃いサーモンピンクの中に煌めく大きな泡が美しい。桜餅・チェリー・ナツメグのようなスパイス・・爽やかさををどこか感じるイースト香。しなやかなアタックから品の良い甘さ、スーと消え行くように儚くもあり何ともエレガントだ。こちらも「ドンペリニヨン・ロゼ」と双璧をなす我が家の定番ロゼである。
とまぁザッとロゼ好きの妻の為に選んだロゼ・シャンパン達。ロゼはチョイスを間違うと後悔することも多いワインだが、しっかりしたドメーヌ物を選ぶと女性陣が喜んでくれるだけでなくそれなりに味わいも満足できる。またシャンパン・白・赤と飲み進められないランチには、極上のロゼが重宝することも多い。さぁ花咲く華やかな春に向けて、我が家のセラーもPinkなロゼを補充するとしよう。

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