暖冬だったはずが普通に真冬じゃないの!さすがに寒すぎる~ので外には絶対出ません南国生まれの専業主婦です。予定は全てキャンセルでお願いしま~す・・となればポカポカ我が城内にてパリコレ「ルイ・ヴィトン 2017-18秋冬メンズ・コレクション(Louis Vuitton Fall-Winter 2017)」ファッションショーを拝見(19日22:30LIVE)。
2015-16年秋冬ではクリストファー・ネメス(Christopher Nemeth)、2016-17年秋冬では日本限定で藤原ヒロシとコラボしたメンズ・アーティスティック・ディレクター キム・ジョーンズ(Kim Jones)。今回は「シュプリーム(Supreme)」とのコラボコレクションと言う事でまたまた注目でしたよ。

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私と同世代のキムくん、懐かしブランドや音楽など趣味が近くて毎度コレクションはツボが多くて楽しいのだけど、今回の「シュプリーム」はなかなか私には馴染薄かったか~・・ニューヨークのストリートブランドでスケボー系は若すぎた?!スカーフをなびかせた高校生の可愛い制服着こなしにキュンキュンするには、フレンチ・サヴォアフェールは贅沢すぎるでしょ~?!
シュプリームらしい赤と白のウエストポーチやモノグラムのスケボー、デニムやカモフラ柄ジャケットも確かにすごく可愛い。息子に着せたい持たせたい妄想が膨らむよね♪ しかしさすがにうちの主人には若すぎて難しい・・と思っていたけどよく見ると、レザーのロングコートやブラックのファーコート、ふんわりロングセーターにモノグラムなロングマフラーなどはエレガントで、さすがにLVらしい上質さで目を惹いた。

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とそんなまだ先の秋冬コレより前に、今まさに店舗では、「アフリカ」からインスピレーションを得て、ルイ・ヴィトンの歴史を踏まえた回帰と言う2017春夏メンズ・コレクションが展開中。チャップマン・ブラザーズとの再コラボも話題ね。シックなゼブラ柄やクロコダイルなどワイルドなのにとってもエレガント、いつものキムくんらしい細身で美しいスタイルが良い。
と言う訳でこの日、お馴染みLV福岡店のいつもの2階VIPルームで買い物をした後は、福岡市の中央に位置する市民のオアシス「大濠公園」へ車を走らせた。総面積約39万8000m2、お隣は福岡城跡「舞鶴公園」「鴻臚館跡(旧平和台球場)」よ。

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福岡城周辺は今後も整備され、福岡市による長期計画「セントラルパーク構想」で大規模公園にする発表もされている。いつからか大濠公園はジョギングやウォーキングの聖地と化して、いつ来ても真剣に走る大人がいっぱいなんだけど、さすがに真冬の寒い夜は人気も少なく静謐とした雰囲気を漂わせる。冷え冷えの湖畔に佇むボートハウスにあるのが老舗フレンチ「レストラン花の木」。
1953年開店当初から人気を博し、料理人としても井上旭(シェ・イノ)・北島素幸(北島亭)・磯谷卓(クレッセント)など多数輩出してきた名店。1954年には新婚旅行を兼ねて来日したマリリン・モンローと夫ジョー・ディマジオが、「オニオングラタンスープ」を気に入り3夜連続で通ったと言う逸話も有名ね。

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1989年に現在地に移転、2015年に2年の歳月をかけてリニューアルオープンした。1998年には我が家お馴染みジョエル・ロブション氏が来店している(ロブションとの手紙や写真が飾ってある)。「ラトリエ ドゥ ジョエル・ロブション」などの真っ赤なオープンキッチンはここ「花の木」のキッチンを気に入って取り入れたと言われているわ。
メインダイニングは長く伸びる一面総ガラスで、池に面していて全ての席から大濠公園の美しき景観が楽しめる。船上に居るかのような演出なの。さて私達は、いつものように角に位置するガラス張りの個室「Room 1953」、マリリン・モンローが使ったイスとテーブルがある通称モンロールーム(天井や壁も創業当時の物を移築)で、ゆっくりと寺田敏広総料理長のディナーを楽しむとするわ。以下は主人から。

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いつもの様に、日本ソムリエ協会理事・北九州支部長も兼任する黒木昭博支配人に相談しながらワインをチョイスしていこう。そうそう先日は田崎真也会長が来福して、京都「木乃婦」高橋拓児氏とのセミナーが行われ、その準備で大変だったそうだ。全国で同じセミナーをしているが水の質で出汁がかなり違う・・高橋氏も福岡での料理はかなり苦労があったと言う事だった。さて、吹き抜けを見下ろせる位置にあるのはガラス張りの大きなワインセラー(500本程)。
ワインリストの中からチョイスしたシャンパーニュは「ドン・ルイナール(Dom Ruinart Blanc de Blancs Brut) 2004年」 。1729年創業のルイナールのプレステージシャンパーニュで、1959年ヴィンテージから発売された。コート・デ・ブラン地区のアヴィーズ・シュイィ・クラマン・メニルに加え、モンターニュドランス地区のシルリー・ピュイジュー・ヴェルジィ・ヴェルズネイもブレンドしている点が特徴だ。

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グラスに注がれると、美しい明るめの黄色が輝く。グレープフルーツの皮・レモンコンフィ・香ばしいイースト香・・クリーミーで繊細な泡が上品さを強調する。まだフレッシュな印象が支配的だが、少し熟したニュアンスも出始めている。樽は使わずドサージュ9g/lと多めなのでやや甘く感じる。もう少し時間が経ってくるとバランスが取れ、より本領を発揮しそうだ。
アミューズはいつものように、「大濠公園の池」を模したカマチ陶器の特注プレート。美しい藤色は福岡城主・黒田家の家紋「藤巴」にちなんでいる。パリパリなカダイフで包まれたプリプリの「海老」。ビーツを巻いてフロマージュブランを乗せて。クリームチーズの周りにはイタリア産生ハムとカキ。かぼちゃのエスプーマには牛挽肉のソテーが潜んでおり、「観月橋」に見立てたスプーンで混ぜながら頂く。

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続いて「長崎産イカ・北海道産ウニ・洋梨」を合わせた冷前菜が登場する。黒トリュフも添えられている。佐賀産柑橘のジュレとヘーゼルナッツのソースが、若々しくも熟成に向かうドンルイナールに寄り添う。洋梨が効いてまろやかながら、ヘーゼルナッツや黒トリュフの複雑な香りが柔らかく流れる上品な一皿であった。さぁここで赤ワインもボトルで選んでいこう。
肉がピジョンと言う事で、リストの中からブルゴーニュに目を走らせる。黒木ソムリエのお勧めの数本の中から「コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエ ボンヌ・マール(Comte Georges de Vogue Bonnes Mares Grand Cru) 1996年」に決める。ヴォギュエは「ミュジニー」の7割である7.2haを所有し、「ボンヌ・マール」は2.7haと最大になる。

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硬質なミネラル感から飲み頃が難しいヴォギュエのミュジニィであるが、ボンヌ・マールはそのふくよかさから比較的飲み頃を捉えやすい。思い返せばこちら「レストラン花の木」では同「2001年」を、六本木「ピエール・ガニェール」では同「1988年」を、「レ・セレブリテ」では同「1999年」開けている。家でも同「1994年」同「2006年」を開けていた。
ではいつもの様に黒木ソムリエの華麗な解説を聞きつつ楽しむことにしよう。グラスに注がれるとややレンガ色を帯びて熟成を感じさせる。動物香・枯葉・腐葉土・黒トリュフ・黒胡椒・・複雑なブーケがゆっくりと立ち上る。ミネラルはほどけ始めており柔らかい。喉を通った後は、酸味と苦味が絡み合いながら心地よく広がる。余韻は余り長くない。

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一般的にグッドヴィンテージと言われる1996年のブルゴーニュであるが、「酸味が強いので難しいところもあります」と黒木ソムリエ。なるほど・・確かに果実の厚み・熟度に比べて酸の多さがややぎこちなさを出しているところもある。それでも2時間経つ頃には、透明感に溢れた黒い果実を絞り出したエキスのような旨味を感じるようになった。
そこに運ばれた料理は香ばしい「アワビのグリエ」、ポワロネギのフランと共に。赤ワインの酸味と鮑のキモの苦みを程よく合わせたソースが大人の味わい。続く「アマダイ」は松茸や銀杏と合わせて。土瓶蒸しの再構成と言う訳だ。コンソメ・炙り焼いたアマダイの骨・鶏出汁にハマグリ・・様々な旨味を重ね合わせたフレンチらしい味わい。複雑ながらも食べやすい一品だ。

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寺田シェフは微調整しながら完成度を高めていくそうだが、黒木ソムリエが「最近では一番のプレートです」と言うだけある美味なプレートだった。この夜のメインは「フランス産ピジョン」、最後に炭火で火を入れた印象的な仕上がり。そういえば寺田シェフと言うと今までは鴨肉や仔羊が多く、こちらでピジョンは初めて頂く。黒木ソムリエがリクエストしてくれていたのだ。
ピジョンは生々しい火入れで野趣っぽさを残すシェフが多い。それに対して寺田シェフは、きっちりと火を入れて「ステーキ」仕立てにまとめた。迫力ある見た目通り食べ応えあり。ある意味フレンチを食べ慣れない人も美味しく頂ける味わいになっている。菊芋のピューレに刻んだ黒トリュフをまぶし贅沢な香りも添えた。一息ついて、デザートの柚子の香りをまとわせた蜜柑のアイスクリームがやって来る。

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これには残しておいた「ドン・ルイナール」を合わせて頂く。カラフルに並ぶ小菓子には、手摘みエルダーフラワーのリキュール「サンジェルマン(St.Germain)」を使った物もあり、最後まで色んな味わいを楽しめた。
ボルドー2ツ星「コルディアン・バージュ(Cordeillan Bages)」でティエリー・マルクスに師事した経験を踏まえつつ、JALファーストクラス機内食の開発に関わった経験を融合させた、食べやすく明朗な寺田シェフの料理。帰りにはいつもの様に外まで寺田シェフ・黒木ソムリエが見送ってくれる。車の乗り込みつつ手を振り、地元ならではの落ち着いたディナーに満足して、この夜も大濠公園を名残惜しい気持ちで後にした。

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