気が付けば街にはイルミネーションが輝き既に師走・・何とも慌ただしい。日常ディナー時の乾杯シャンパーニュは欠かせない我が家ではあるが、イベントシーズン突入となると更にあれこれ思い巡らし、それはそれで大変ではある。そこでバタバタとしてくるその前に、我が家が先月自宅で開けたシャンパーニュ達をザッと紹介しておこう。やっと冬らしくなった休日、セラー室から選んだのは妻が喜ぶ愛のピンク天使「アムール・ド・ドゥーツ ロゼ(Amour de Deutz Rose Brut) 2006年」。
アイ村のシャンパーニュ・メゾン「ドゥーツ」が、新プレスティージュ・キュヴェとして発売したもの。年間生産量6000本限定のうち日本には600本のみ入った。ちなみにこの「2006年」から「キュヴェ・ウィリアム・ドゥーツ ロゼ」はなくなった。グリアボトルに揺れるオレンジがかったピンクの波、そこに煌めくクリーミーな泡が美しく、まさに女性好みだろう。我が家お気に入りの白い「アムール・ド・ドゥーツ」と同様、淡いピンクのボックス帯には天使のエンボス。

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フランスの彫金師パスカル・モラビト(Pascal Morabito)デザインのピンクゴールドのミュズレは、天使の右手に光るダイヤモンド(ガラスだが)が埋め込まれており、ペンダントにもなると言うロマンティックな演出まである。言うまでもなく「アムール(愛)」と「ダイヤモンド(永遠の絆)」でクリスマスにもうってつけだ。妻もチェリ~ちゃんもとにかくカワイイと楽しそうで何より(笑)
妻お気に入りのシャープに美しい「シャトーバカラ シャンパンフルート」に注ぐと、幅広くV字にカットされた底部から途切れることなく立ち上がるピンクの泡。閉じたグラス上部が甘い香りを中に閉じ込めてくれる。ピノ・ノワール(アイ、ヴェルズネイ、ブジー)55%、シャルドネ(アヴィーズ、シュイィ、ヴィレール・マルムリー)45%。クリーミーなアタックから、野イチゴの甘い酸味と品の良いミネラル感の後に仄かな苦みを残す。

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やや還元的で各要素が統合されていないが「アムール・ド・ドゥーツ」らしいチャーミングさと飲みごたえのせめぎ合う味わい。クローズ気味で複雑さには今一つ欠けるが、丸みを帯びたグラスに変えて1時間半もするとバランスがそれなりに取れてくる。「ワイン」としてゆっくり熟成させたい美しいロゼであった。
少し戻って、我が家のクリスマス飾り付けがスタートした先月中頃、開けたのは年間生産量800本という希少な「ピエール・カロ “クロ ジャカン” ブリュット グラン・クリュ アヴィーズ ブラン・ド・ブラン(Pierre Callot Clos Jacquin Grand Cru Avize Blanc de Blancs)」。クラシカルなラベルも、しっとりとした聖夜に合うだろう。ピエール・カロは1985年に設立されたレコルタン・マニピュランだが、1780年頃からアヴィーズ村に7.25haの畑を所有する。そのうち2.25haで栽培される葡萄は「ボランジェ」に売られている事でも知られている。

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「クロ・ジャカン」はグラン・クリュ畑わずか0.07haから造られる。樹齢30年~50年の樹齢のシャルドネをオーク樽で1年熟成。マロラクティック発酵し、その後瓶内二次発酵・熟成21ヶ月。アルコールは12.5%。リーデルの新シリーズである「リーデル・スーパーレジェーロ」のシャンパーニュ・ワイン・グラスに注ぐと、やや淡いゴールドの微細な泡が勢いよく持続的に立ち上る。ハンドメイドならではの薄さを誇る「ソムリエ シリーズ」よりも更に薄く軽い「スーパーレジェーロ シリーズ」。
妻はいつも割りそうだよ~と恐る恐る使っている。白い花・乾燥したキノコ・微かなオレンジピール・レモンコンフィ・洋梨・カリン・・そして綿菓子のような甘さも感じさせる樽香。それらが一つの魅惑的なアロマとして迫って来る。柔らかい飲み口から独特のピュアな旨味が余韻に残る。穏やかながら程よい厚みの魅惑的な飲み口だ。折り目正しいミネラル感とともにかなりドライであるが、果実由来のふくよかさも感じ取れる。1時間もすると酸化したニュアンスもそれなりに出てくるが、抑揚は控えめで最後までバランスを崩さない。

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樽の使い方は「ボランジェ」よりも柔らかく上品という印象。複雑でいて変化に富む大人の味わい、そんな完成度の高い上質なシャンパーニュ。既にプレステージ・シャンパーニュをある程度飲み込んでいる人には色々な発見があるだろう。続いては平日に開けた「テタンジェ コント・ドゥ・シャンパーニュ(Taittinger Comte de Champagne Blanc de Blancs) 2005年」や「ドン・ペリニヨン(Dom Perignon Enotheque Vintage) 2005年」などなど・・う~んこれらはすっかり我が家の定番達であるので今更か。
そう定番だったと言えば久しぶりに開けた「アンリオ キュヴェ・デ・アンシャンテルール(Henriot Cuvee Des Enchanteleurs) 1998年」。今年は同「2000年」と「アンリオ キューヴ38 グラン・クリュ ブラン・ド・ブラン マグナム」を開けている。1808年に設立の「メゾン&ドメーヌ アンリオ」。13代目当主トマ・アンリオ(Thomas Henriot)就任当初に会った時は、「良いワインを生み出していきたい」と初々しさとやる気にあふれていた。しかし2015年からは社長が交替してジル・ド・ラルズィエール(Gilles de Larouzière)が就任した。11代目当主ジョセフの甥、つまりトマの従兄だ。

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家族経営で良質のシャンパーニュを産み出すアンリオであるが、経営的には色々とあるのだろう。プレステージシャンパンである「アンシャンテルール」、その名は「カーヴでワイン発酵を見守る職人」を意味する。シャルドネ約50%、ピノ・ノワール50%。ゴールドのボックスとリボンに入ったボトルから流れ出すそれは、アッシュがかった深みあるゴールド。ゆったりと立ち上る細やかな泡は、煌めきながら消えていく。トロリとした蜜・シェリー・・穏やかながら上質の熟成香と切れのある優雅な酸味が調和する。溶け込んだ泡は微かな刺激となり、軽やかながら心地よい余韻に寄り添ってくれた。
その少し前に開けたのは、黄色い新ボックスと新ラベルでモダンで華やかになった「フィリポナ クロ・デ・ゴワセ(Philoponat Clos des Goisses) 2005年」。今まで「クロ・デ・ゴワセ」は我が家との相性は今一つで満足したことは少ない。今夏に飲んだ「フィリポナ ル・レオン エクストラ・ブリュット 2006」が良かったのであらためてチャレンジすることにしたもの。

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フィリポナ家がシャンパーニュ地方のアイ村に定住したのは1522年で、1697年にフィリポナ社を設立(現在16代目当主シャルル・フィリポナ)。1910年には「フィリポナ」ラベルで販売を開始し、1935年に「クロ・デ・ゴワセ」を独占所有。1997年からは「ランソン・BCC」グループ入りした。シャンパーニュ地方で単独の畑名を名乗れるのはわずか2つしかない。1つは「クリュッグ クロ・デュ・メニル」、そしてこの「クロ・デ・ゴワセ」だ。ゴワセとはシャンパーニュ地方の古い方言で「重労働」という意味。
ピノ・ノワール65%、シャルドネ35%。3ツ星レストランを始めとするシャンパーニュ好きの評価を得て「シャンパーニュのロマネコンティ」とも言われている。この「2005年」は、2006年5月にボトリング、2014年11月にデゴルジュマン。グラスに注ぐとアッシュ系のイエロー、泡立ちは活発で勢いがある。柑橘・ミツ・マッシュルーム・・程よく中庸でオイリーなタッチとミネラリー感が骨格を形作る。ドサージュは4.5gと少なめで果実味を生かした造り。

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1時間するとトロリとした蜂蜜のニュアンス。2時間するとよりなめらかなタッチになるが、一方でアルコール感も出てきてややバランスは崩れる。樽熟成の方が多いはずであるが、全体的にまだステンレス由来のニュアンスが強かった。各要素がまだ溶け込んでおらず調和は取れていないが、デゴルジュマンから3~4年経つとまた良くなるかもしれない。ボトルによって当たりはずれの多い印象のフィリポナであるが、この1本はなかなか良かった。
更に思いかえせば先月初旬は、フランス・アヌシーにある「ル・クロ・デ・サンス(Le Clos des Sens)」のローラン・プティ(Laurent Petit)シェフが来日してのフェアで、乾杯に「クリュッグ ヴィンテージ(KRUG VINTAGE) 2002年」を開けた。よって飲み比べとして後日自宅で同「2003年」を開けてみる事に。観音開きの箱やラベルはブロンズ色をベースに、金や赤をポイントにしてエキゾチックなデザイン。収穫葡萄が秀逸な年のみ、10年以上の月日をかけその個性を高めてリリースされる「クリュッグ ヴィンテージ」。

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我が家でも「1998年」が気に入って既に3本開けている。「2002年」に関しては、6代目当主オリヴィエ・クリュッグも「完璧だ(グラン・ヴィンテージ)」と称する程の出来で、確かに我が家もフルーティでありながら優雅で深い味わいに満足した。2003年は、平均気温が平年を10度も上回る猛暑がシャンパーニュ地方を襲ったため、ヴィンテージを出すのをあきらめたドメーヌも多かった。よってクリュッグでは1822年以来最も早く収穫を開始。
しかも乾燥した冬・開花の早かった春、そして2回の深刻な降霜によって多くのシャルドネがだめになった。それでもサント・ジェム、ヴィルヴナール、クルマのピノ・ムニエの比率を多くすることで、芳醇で濃密な「2003年」は誕生する。最高醸造責任者リック・ルベルは、酷暑の年に生まれた予期せぬ物語と言う事で「いきいきとした輝き」と名付けている。そんなある意味特異な「2003年」は、より早くから楽しめるので「2002年」より先にリリースされた。

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ちなみに2003ヴィンテージで言うなら、ふくらみのある果実味に魅せられ、我が家のセラーには「ドン・ペリニヨン 2003」が多くストックしてある。猛暑だった「2003年」の味わいは一般化できないが、我が家的には面白い年なのだ。もとい、丸みを帯びた「クリュッグ専用グラス」に注ぐと、美しい黄金色が揺れクリーミーな泡が立ち上がる。グレープフルーツの皮・オレンジピール・果実のコンポート・黄桃・・・やや重心の低いよく熟した果実味が香る。中盤のふくよかなふくらみから余韻に残る苦みが心地よい。
2003年らしい太陽の恵みを十分に反映した、クリュッグのアッサンブラージュの確かさを感じる1本であった。続いて休日のアフタヌーンシャンパンとして軽く開けたのは、アイ村グラン・クリュ「アンリ・ジロー オマージュ・ア・フランソワ・エマール(Henri Giraud Hommage a Francois Hemart)」。英王室ご用達のアンリ・ジロー。初代当主のフランソワ・エマールへのオマージュから誕生した1本だ。ピノノワール70%、シャルドネ30%、樽で6か月の熟成の後20ヶ月の瓶内熟成。

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グラスにそそぐと、かなり薄いイエローに浮かぶ泡は中庸。ピノ・ノワールの多さを物語る様にややグレーかかっている。青リンゴと洋梨が混じった穏やかな香り。アンリ・ジローらしい樽のニュアンスは控えめながらも香りを印象付ける。羽根のように軽やかなアタックから、柔らかいミネラルと軽やかな甘さが中盤に顔を見せ、心地よい酸味を伴う余韻は短い。飲みごたえはないが軽食やランチ、立食パーティーなどには良さそう。
シンプルでモダンなラベルも手伝ってアンリ・ジローを好まなかった妻も、今では「オマージュは薄いかな、やっぱりアルゴンヌが良いわ」と言うまでに変わった。20年以上ワインを飲んでいると好みも変遷していく。そんなことを話題にしながら夕方明るい時間から軽く喉を潤した。ではそれに関連してアンリ・ジローの新しいロゼ、テラコッタ樽を使った熟成の「アンリ・ジロー ロゼ ダム・ジャンヌ(Henri Giraud Dame-Jane Rose)」もあげておこう。ラベルには古代メソポタミアで作られていたテラコッタ製の女神像。

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女性の多産と土地の肥沃さのシンボルであった女神像を描く事で、アイ村のテロワールの豊かさを象徴的に表現したと言う。ピノ・ノワール70%、シャルドネ30%。「アンリ・ジロー オマージュ」をベースにオーク樽で発酵、テラコッタ製の樽で1年間熟成させる。そしてボトリング直前にアイ村樹齢70年古木のピノ・ノワールで造られた赤ワインが6%ブレンドした上、2年間の瓶内熟成を経る。「バカラ ドンペリニヨン・シャンパンフルート」に注ぐと赤みがかった濃いオレンジ色の中に、勢いよく泡が立ち上がる。
穏やかな桜餅・砂糖漬けのオレンジ・・香りは閉じ気味。美しい酸味とミネラル感が調和して大人のロゼという趣きか。ミネラル感が余韻を引き締めるので食前だけでなく食中でも合いそうだ。ある意味、享楽的なアンリ・ジローのイメージとは違うストイックさ。妻は「あれ~?イメージと違った~」と不満げ(笑)1時間後、温度を上げて白ワイングラスで味わう頃には、微かにスパイス、ハーブのニュアンスも出て来て複雑なニュアンスも顔を出してくる。もう少し落ち着かせてから飲むと本領を発揮するかもしれない。

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我が家に良くあるパターンではあるが、その翌日リベンジと言う事でまたロゼを開けることに。チョイスしたのは我が家お気に入りロゼの1つ、「ローランペリエ グラン・キュヴェ アレクサンドラ ロゼ(Laurent-Perrier ‘Alexandra’ Grande Cuvee Rose) 2004年」だ。いわゆる困ったときの何とか的存在とも言える。1812年創業のローラン=ペリエ社。1987年にベルナール・ド・ナノンクール氏が娘アレクサンドラの結婚式のために、密かに醸造していた彼女の名を冠するプレステージ・ロゼシャンパン。
ロマンティックな逸話もクリスマスなどに使いやすいだろう。選りすぐりのグラン・クリュ葡萄で、ピノ・ノワール80%、シャルドネ20%。我が家好みのセニエ法(マセラシオン)、そして5年から10年瓶熟成される。グラスに注ぐと濃いサーモンピンクの中に煌めく大きな泡が美しい。桜餅・チェリー・ナツメグのようなスパイス・・爽やかさををどこか感じるイースト香。しなやかなアタックから、品の良い甘さ、追いかけたくなる旨味が代わる代わる顔を見せる。

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そしてスムーズに流れるような余韻へと自然と続く。スーと消え行くように儚くもあり、確かな飲み心地が何ともエレガント。定番の美しい味わいに妻も満足そうだった。そしてこれも家パーティの気軽な乾杯には良いだろう・・1974年の「クリスタル・ロゼ」以来の新リリースと去年話題になった「ルイ・ロデレール ブリュット・ナチュール フィリップ・スタルクモデル(Louis Roederer Brut Nature Philippe Starck Model) 2006年」。
世界5ケ国のみの販売で5万本という少量生産(クリスタルの5%)だが、妻がフィリップ・スタルク好きと言う事で我が家も平日飲み用として時々開けている。ボックスはオレンジ・白・シルバーと言ういかにもなスタルクカラーで、クールモダンなロゴデザイン。中にはフレデリック・ルゾー社長とスタルクの写真が入っている。スタルクは毎日飲むと言うシャンパーニュ好き、しかもゼロ・ドザージュ限定を公言している。よってこれはルイ・ロデレール初のゼロ・ドザージュだ。

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2006年の1区画から収穫した優れた葡萄のみ使用(ビオディナミ)、ピノ・ノワール65%、シャルドネ35%。「ブリュット・プルミエ」はピノ・ノワール56%、シャルドネ34%、ピノ・ムニエ10%。この日飲み比べで開けたのは、「2006年」以来の新発売となる「ルイ・ロデレール ブリュット・ナチュール フィリップ・スタルクモデル 2009年」なのだ。やはりいかにもフィリップ・スタルクらしいが、前回とは全く違って黄色をベースに白と黒がモードなデザイン。
中には2006と同じフレデリック・ルゾー社長とスタルクの写真が入っている。太陽の恵みをたっぷりに成熟した高糖度の葡萄が収穫できた2009年。醸造責任者のジャン・バティスト・レカイヨン曰く「史上最もロデレールらしくないシャンパーニュ、限りなくシンプルで極めてモダンだ」との事。繊細な「木村硝子店 ピーボ オーソドックス シャンパングラス」に注ぐと、ルイ・ロデレールらしい強めのイースト香・切れのある酸味に続いて、果実のピュアな甘さが、ドライな余韻に染み出てくる。まだ発売されたばかりということもあるが、「2006年」よりもドライな印象。

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1時間もすると白い花の蜂蜜・白桃・・溶け込んだ柔らかいスパイスのニュアンスも出て来た。相変わらず飲み口はカジュアルな軽さを感じるので、ランチパーティや軽食などに向いている。我が家的には今のところ、「2006年」の方が果実味が感じられて好きである。さて、つい先日休日に早い時間から開けたのは「J.ラサール キュヴェ・スペシャル・クラブ ブリュット・ミレジム(J.Lassalle 1er cru Cuvee Special Club Millesime) 2006年」。
ジュール・ラサールが1942年、モンターニュ・ド・ランス地区シニー・レ・ローズ村に設立したレコルタン・マニピュラン。1982年にジュールが亡くなった後、妻オルガと娘シャンタル、そして2006年から孫アンジェリーヌが参加し、女性3代が伝統的な醸造法によって品質を守っている。区画毎にキュヴェを発酵・熟成させ、全キュヴェで年間だけで25000本のみの生産で希少。女性3代とはそぐわないどっしりとしたボトル、黒いボックスやラベルデザインも昔ながらの男っぽさを感じさせるので、男性へのプレゼント向き。

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基本の「リーデル ソムリエ・ヴィンテージ・シャンパーニュ」に注ぐと明るい薄いイエロー、中庸の泡の勢いは穏やか。青りんご・梨・ライラック・甘露な薄い蜜。最初の香りは平板だが1時間後位からようやく香りが立つようになった。まろやかな旨味、心地よいほろ苦さが上品な酸と共に余韻に残る。シャルドネ60%、ピノ・ノワール40%。ドサージュは8~9g。乳酸発酵あり。ボックスや裏ラベルに情報はほとんど記載されておらず、サイトもあるがやはり情報量は少ない。
ロバート・パーカーが評価してワイン・スペクテーターも続き海外での人気が高い。我が家の好みではなかったが、ある意味折り目正しい上品さは感じられる。特徴がないと言えばそれまでだが、シャルドネ重視・ステンレス派の好みには合うかも。時間をかけて温度を上げながら、ゆっくりと向き合うには良いシャンパーニュだろう。そんな感じで最後もワイン好きの男性向きな1本かな、「ユリス・コラン ブラン・ド・ブラン レ・ピエリエール(Ulysse Collin Blanc de Blancs Les Pierrieres Extra Brut)」。

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最近自宅で開ける機会の多いユリス・コラン。レコルタン・マニピュランの中ではお気に入りの1つだ。2001年オリヴィエ・コランがアンセルム・セロスから刺激を受け、実家が賃貸していた畑の回収を決意。2002年セロスで研修し2003年にドメーヌを立ち上げた。2004年にこの「レ・ピエリエ」の畑から5400本産出したのがスタートだ。その後順次増やし「レ・マイヨン」「レ・ロワーズ」「レ・アンフェール」「レ・マイヨン・ロゼ」を造っている。
野生酵母で発酵し小樽熟成させ、清澄・濾過せずにボトリングする。デゴルジュマンは2014年3月11日。「リーデル・スーパーレジェーロ シャンパーニュグラス」に注ぐと八朔の皮・アニスの様なスパイス・微かな樽香・フルーツのコンポート・・繊細な泡が清廉なミネラル感を引き立てる。柔らかくも中心を走る酸味が印象に残る。口にふくむと白ブドウの甘さと旨味が自然ににじみ出る。ノン・ドサージュだが葡萄の甘さを十分に感じる。

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ピュアだけれども飲み手に緊張感は強いない、柔らかくバランスの取れた味わいだ。ユリス・コランはブラン・ド・ノワールの方が飲み手に迫って来るが、このブラン・ド・ブランもその独自の世界観が面白かった。やや単調で半分ほどで飽きは来たが、時間と共にまだまだ変化しそうであった。
とまた長くなってしまったが、冬らしくなって来た先月に家飲みしたシャンパーニュ達をザッとアップしてみた。いよいよ華やかなるフェスティブシーズン到来、忘年会・クリスマス・年末年始と色んな場面で様々なシャンパーニュが活躍するだろう。私も妻やチェリ~ちゃんが喜びそうな煌めく泡達を吟味する事にしよう・・その楽しい報告はいずれまた。