季節毎に伺いたい京都。もう次の季節に入ってしまったので取り急ぎ。少し前の事になるけど書いておこう。最初に予約を入れたのは「祇園 丸山」、もう何度か訪れた京懐石の名店の1つであるが、この日はあいにくいっぱいで「建仁寺の方はどうですか?」との事。そうか、共に京都ミシュランの2ツ星だよね。
御主人・丸山嘉桜氏が1988年「祇園丸山」を開業した10年後、そこから程近い建仁寺南側八坂通りに出した「建仁寺 祇園 丸山」。風情ある通りに数奇屋造りの門、中は打ち水がなされいかにも京都らしい世界・・「祇園丸山」よりは穏やかなイメージかな。

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1998年に開業したとは思えないかなり年季が入った外観に内装。ここは元々三軒あった町家を4年掛けて一軒に造り上げたのだそう、なるほど。1・2階合わせて6部屋あるんだそう。ちなみに「建仁寺」と言えば俵屋宗達筆の屏風画「風神雷神」、そして栄西が博多「聖福寺」・鎌倉「寿福寺」に次いで建てた禅寺ね。
建仁寺建立時に博多から来た職人たちが住んだ場所は、今でも建仁寺西側に博多町と言う名で残っているんだよ。さて、案内されたのは本店と似た感じの、お庭が見渡せる椅子とテーブルの広い部屋。季節の設えも軸や花に至るまで本店同様細やか。微かに水音も聞こえて風情あるわ。今年67歳と言う御主人は「菊乃井」「和久傳」料理長を経て現在に至る。

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御主人曰く「五感(リズム・光・音・香・味)を通じて表現する」世界が「祇園丸山」なのね。と言う訳で昼ではあったが夜同様の「おまかせの季節料理」をお願いする。京都ならではの旬の食材を満喫させて頂くよ♪まず運ばれて来たのは「桜茶」と「祇園 丸山」刺繍入りのおしぼり。
乾杯は我が家的にはシャンパン!と行きたいところだったが(ワインリストもあるし)、さすがに前夜フレンチレストランでワインを飲み過ぎていたため自制する。そう言えば先日22日ま行われていた「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2016」で写真家アーウィン・オラフ(Erwin Olaf)氏に関連して、期間限定で「ルイナール シャンパーニュ ラウンジ」がオープンしていたの。

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オランダ出身のオラフが撮影した、世界最古のシャンパーニュ・メゾン「ルイナール」のクレイエルセラー(白亜質の貯蔵庫)を見たかったなぁ。ガリアローマ時代の白亜質の石切り場跡なんだよね。おっともとい、と言う訳でここ「祇園丸山」では、日本酒・特別竹酒を頂く事にする。
これは「玉乃光 特別純米吟醸」を青竹に入れ、3日程竹の香りをしみこませた爽やかな物。お猪口も青竹なの。そう言えば京都・伏見「玉乃光酒造」って、初めて純米酒を醸した酒蔵なんだよ。まず朱に金の玉串で目出度い盃(食前酒)と一緒に登場したのは、春と言えば~な香り豊かな「筍」。石焼きが運ばれると香りが部屋の中にたちこめるわ。

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添えられるのはこれまた春満載の白魚やつくし、ホタルイカは弾けてとってもジューシーよ。なるほど、温度と香りで引き込んでくる一品ね。続いて笹の葉を金に塗って皿に見立てた「金箔光琳盛り」がやって来た。桜の花も添えられ、これは丸山さんらしい華やかさね。手毬寿司と「花型黄味酢かん」と赤貝が、花かんざし仕立てになっているわ。
生桜と桜の器も可愛い、それには針魚細造りに梅肉かん、グリーンアスパラ。小皿には「かくし梅」、鯛の白子のペーストが小梅を覆っているの。六角器にはコノコとユリ根、上には揚げた桜の葉が乗っていた。さぁ続いて椀物、金の鶴が描かれた赤い蓋が目出度い、開けると中は「ぐじ(甘鯛)」。淡くも集中した旨味の出汁で、ぐじやばちこの塩気がバランスを取って美しい味わい。

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次の向付は、白皿に紅白と美しく盛られた「桜鯛と鮪」。ポン酢には香味大根、柔らかな筍も添えてあったわ。いよいよ次の焼き物こそがお目当て♪ 手入れされた庭(縁側)に設けられた台座では、四季を通じて職人さんが一から炭をおこし、旬の食材を目の前で焼くと言うパフォーマンスを拝見できるの。
春は筍・子持ち諸子、夏は鱧・鮎、秋は子持ち鮎・松茸、冬は松葉蟹・河豚など。リピーターの希望によっては鮑やお肉を焼く事もあるそうよ。そしてこの日私達は春だけど松葉蟹。思えば年明けから「京都の松葉蟹(祇園 さゝ木)」が続いているね。そうそう、お握りも焼いてくれる♪ 職人・高橋氏に色々お話を聞きながら、わくわく作業を眺める。

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これの楽しみってホクホクの蟹の身ももちろんなんだけど~、実は蟹味噌たっぷりの甲羅に日本酒を注いで焼いてもらって、それをグビグビっと飲む事なんだよね♪「お昼なのでだし汁でもいいですよ」と言う事だったけど、もちろんお酒をなみなみと注いでもらうよ。濃厚な蟹味噌がお酒に溶け出す香り・・これこそ日本文化。
更にお猪口に入ったお酒に、焼いた蟹の爪先を入れてくれたりもする。炭火で焼かれた芳ばしい蟹の香りと共に、胃に染み渡る幸せってあるでしょ?(ただの酔っぱらい 笑) 美しい焦げ目の焼きおにぎりも食べちゃったので、ここでもうかなりお腹一杯。なんだけど、次に運ばれて来た炊合せは「丸鍋(すっぽん鍋)」だった!

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あ~コラーゲンにコンドロイチン、ふかひれに次いで美容には外せないわ♪ そうだカルシウムもかなり豊富、リンや鉄分も多い。添えられるはつみれ粟麩・焼き葱・生姜。濃厚でいてすっぽんの滋味深い出汁に身体もポカポカ、代謝も上がるね。とちょうどその時に部屋に来られたのは満面の笑みの女将「すっぽんはお肌にいいですよ~必要ないでしょうけど」。
いやいや正に美容だと呟きながら頂いてましたよ。そして女将の手にはペットボトル?!「これプレゼントです~」何と御主人が監修するお茶「祇園心茶」?以前はお土産には、これまた御主人が監修する「室戸海洋深層水」を下さっていたのだが、今度はそれを使用した京番茶を作ったのだそう。京都産茶葉と室戸海洋深層水65%使用し、スモーキーで香ばしいながらすっきりと味わいになっている。

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つまり京都のいり番茶(ほうじ茶)といった感じね。パッケージも京都らしく祇園の石畳を歩く舞妓さん。女将さんの明るくお話上手な様子はさすが、楽しませて頂いた上に癒された♪ そして次のお料理も蟹、今度は「蒸した蟹」が涼し気に盛られた氷に乗って登場した。スダチを絞ってさっぱり頂く。文旦をくりぬいた器には茸類の酢の物。
当然ながらその後は、土釜御飯・汁物・香物と続いて行くのだけど、なんせ「蟹味噌酒」を頂き過ぎたのか、もう満腹で食事が入る余地はなかった(泣) 残念ながらそれらは辞退させて頂く。締めの水物は桜色の可愛いお皿に、苺・晩白柚・マンゴーにココナッツのシャーベット。「白小豆亀山」には紅白の白玉が入って最後まで目出度い。

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そこへ御主人が挨拶に来られて色々お話をさせて頂く。伝統の上に進化し続ける独自の京料理の世界を感じる「祇園丸山」、満腹で楽しい時間を終えた。海外からの観光客も当然多いとの事だが、いつ来ても安定した美味しさと、丁寧な接客でブレない所も良い。
ご機嫌にふらふらと車に乗り込みながら、正しい日本文化を世界に発信できる貴重なお店ね~と改めて数寄屋造りを眺め、皆さんに手を振り店を後にした。京都は奥深く魅力は尽きない・・そうだ京都いこう!すぐに行こうよ♪(おねだり 笑)

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