前回に続き、世界一のラグジュアリーブランド「ルイ・ヴィトン」による巨大展覧会「空へ、海へ、彼方へ ─ 旅するルイ・ヴィトン展(Volez, Voguez, Voyagez – Louis Vuitton)」プレヴューイベントの話。160年以上に渡るメゾンの歴史を凝縮したエキシビションは、キュレーターにガリエラ宮モード博物館館長オリヴィエ・サイヤール(Olivier Saillard)、空間デザインに舞台演出家ロバート・カーセン(Robert Carsen)を起用。
パリのグラン・パレで盛況だったそれが、6月19日まで東京・紀尾井町の特設会場で開催されているのだから見逃せない(何と無料!)。日本に特化した1章も入って、「旅」をテーマにした全10章で構成。とても豪華な展覧会になっているよ。と言う訳で続いて第6章「絵画用トランク」から、その部屋は華やかなアートな世界が広がっていた。

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なるほどここでは、数々のアーティストたちとのコラボを特集しているのね。まず目に飛び込んでくるのは村上隆のパネル「モノグラム・マルチカラー」。そしてリチャード・プリンス(Richard Prince)による「グラフィックペイント」ね。どれも懐かし~♪ アート・ディーラーのルネ・ジャンペル(René Gimpel)の、1927年製絵画用トランクもあった。
さすがに高価な絵画を保護する物だから、かなりの大物。そして私が釘付けになったのは、ブラックのノマドレザーに鮮やかな蝶(シルクスクリーン)が舞っている大きなトランク。これって2009年のアトリエ誕生150周年コラボ「サヴォアフェール展」に出された、ダミアン・ハースト(Damien Hirst)の「手術道具ケース」だよね?!

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そしてそこに第7章、見上げれば細工が美しいトランクが棚高々にズラズラッと並べられて壮観。ガストン-ルイのアンティークコレクションなのだそう。スタッズや刺繍や毛皮装飾も珍しい・・高位置で視線もなかなか届かないが、真ん中にある頑丈な黒トランクは17世紀の「ニュルンベルク」。金属細工や素材が独特なので、どれだけ高価な物だろう?
そんなそびえるコレクションの壁を越えたら第8章「ファッションとビューティー」。ここは4つに分かれている、まずはアイボリーの壁に覆われたシャンデリアが輝く女性らしいエレガントな部屋。壁がトランクの内側「マルタージュ」になってる・・素晴らしい♪ ショーウィンドウにはシルクサテンの美しいドレス・・思わず吸い込まれる様に近づくわ。

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見れば1950年ミロ・アンダーソン(Milo Anderson)が担当した映画「情熱の狂想曲」の衣装で、ローレン・バコール(Lauren Bacall)が着用した物だった。横には彼女の所有したモノグラム・キャンバスの帽子、靴用トランク「ブレット」、バニティケース、スーツケース「アルゼール」「ストラトス」。
更に進むと、グレタ・ガルボ(Greta Garbo)所有のモノグラムの靴用トランクがあって、その中には彼女のシューズ・コレクションが並んでいる。更にはキャサリーン・ヘップバーン(Katharine Hepburn)が映画「アダム氏とマダム」で着用したワンピースと、それを収めたトランクなど。これらは親世代がかなり喜びそうね。そうそう部屋の一番奥にあった、豪華なジュエリーケースや香水瓶ケースも見ごたえあった。

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と言う事でその部屋に続く廊下部分が「フレグランスの誕生」。1927年にルイ・ヴィトン初のフレグランス「ウール・ダプサンス」が誕生する。別荘にちなんだ、前述5章の部屋の名前でもあるわね。ライトアップされたロマンティックな棚には香水瓶と、鳥・ピエロ・バレリーナなどのイメージ画、アンテークの瓶などが並べられている。
目を奪ったのは緑色が美しいボトル「樹液を出す木」、そのスケッチも横に展示してある。これは1920年のカミーユ・クレス-ブロシエ(Camille Cless-Brochier)によるデッサンだそう。そして次の部屋は「メンズ・ラゲージ」。そこには男のこだわりを感じる、何ともオシャレな世界が広がっていた。クリスチャン・ディオール(Christian Dior)が所有した1952年のモノグラム・トランク「アジャクシオ」、

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更に豪華な装飾のステッキ、星形の時計のトラベルアラームなど小物類も素敵。そうだ、アザラシの皮で出来た化粧道具用トランクもあったわ。更にサッシャ・ギトリ(Sacha Guitry)監督の、スーツも掛けられる1913年の衣装ケース「マル・アルモワール」や、重厚な靴用トランクやシューケア用トランクなどなど盛り沢山。
そこに混じって現メンズ・ディレクター キム・ジョーンズ(Kim Jones)の前回も触れた「2014春夏メンズ」レザーブルゾンがあったりする♪ さて8章4つめは「現代のクリエーション」。いきなり見慣れた景色が見えて来た・・ここはニコラ・ジェスキエールによるコレクション部屋だね!スクリーンに流れるランウェイショーとモダンな白いクローゼット型トランクには「2015年春夏」を、

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ショーウィンドウには「2016年クルーズ」「2015年春夏」「2014-15秋冬」を展示。真ん中のクローゼットは回転しているのよ。この服持ってるわ~♪とニコラフリークの私にはどの服も説明できる!といったどや顔に(笑) まさにタイムスリップから今に戻って来たと実感する部屋だね。壁にはズラッとクライアント・ファイルが並べてあって、これもまた貴重な資料であるのは言うまでもないわ。
そしてギターや楽譜、レコードなどが浮かぶディスプレイの楽しい部屋へ・・そこは9章「ミュージックルーム」。楽器のスペシャルオーダーと言う事で、バイオリンや指揮棒そのままの形にデザインされているのはスゴイ。どれも注文した人のこだわりを感じる造りよ。1996年のヘルムート・ラング(Hemut Lang)のモノグラム・DJトランクや、1895年のピエール・セシアリ(Pierre Secchiari)のバイオリンケースがあった。

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さぁいよいよ最後は、パリのグラン・パレで開催された展覧会ではなかった、東京展だけの特別な10章目「インスピレーションの国、日本」に入るよ。入口が見えただけでびっくり、障子や畳・玉砂利なども敷いてある?!日本の文化を満載のスペシャルな空間になっているわ。ふと気が付けば周りにはカメラマンやスタッフなど・・
見ればすぐ前にはルイ・ヴィトンのマイケル・バーク(Michael Burke)CEOと、女優の木村佳乃が展示を見ながらの撮影中だった。中央の不思議なディスプレイには、川久保玲・村上隆・草間彌生による懐かしいコラボバッグを展示。ショーケースには12代目市川團十郎オーダーの「鏡台トランク」、奥には板垣退助が渡欧した際に購入したと言う「スティーマ・トランク」。

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白洲次郎が所有した1967年のモノグラム・トランク「ビステン」と「スティーマー」もあったわ。「モノグラム」が日本の「紋」から発想を得ていると言うのは既に周知の事だが、この部屋の展示を見るとそれを実感してくる。中でも一番気になったのは、畳の縁がモノグラム柄であった事だよね?!(笑) そんな日本だけの特別展示を抜けたら、最後の「クラフトマンシップ」ゾーンとなる。
フランスからアトリエ職人が来日してデモンストレーションを行っていた。3つのブースがあって、職人の手元を背後の大スクリーンに映し出すと言う演出も良い。脇にあるいくつかのテーブルもスクリーン仕様になってて作業が見えるよ?!美しく流れるような世界最高峰の職人技を間近に見れるのは素晴らしい。

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この日はプレヴューイベントと言う事で「クラフトマンシップ」コーナーを出た所が記者会見場になっていた。よってこのエリアもマスコミと芸能人・スタッフで賑わっている。ついでなので、私達も横からセレブ達の会見を拝見していた(笑) そんな華やかなエキシビション内覧会の後は、またルイ・ヴィトン側が用意してくれたハイヤーで担当嬢と移動。
「アンダーズ東京」52階ルーフトップ全てを貸し切ってのアフターパーティーに参加するよ。これはマイケル・バークCEO主宰で、ルイ・ヴィトン・ジャパンCEOデヴィッド・ポンゾ(David Ponzo)氏の就任披露パーティーとしての厳かな会でもあった。ちなみに下51階ではマスコミ・芸能関係者向けのプレスディナーも行われていた。

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LVMHのトップ達と企業系招待客、そして私達の様な全国から選ばれた極僅かな顧客が並ぶ中、マイケル・バークCEOがマイクを持って乾杯の挨拶をする。九州代表?の私達夫婦をわざわざ見て、「熊本地震の被災者へ」の哀悼の言葉も述べられた。シャンパンはやはりLVMH所有の「ドン・ペリニヨン(Dom Pérignon) 2006年」♪
食事中ずっとそれはグラスに注がれた。オープンキッチンから運ばれる料理は、青山「ナリサワ(NARISAWA)」の特別メニュー。大人数のパーティーなのでカジュアルな内容となっているわ。まずは前菜、グラスにガラス仕切りを乗せて上と下に分かれた「京都産家鴨肉、ストロベリー、ビーツ、ホワイトアスパラガス、生ハム、春トリュフ」、横には「キャビア、ホタテ、チーズ」と言った感じ。

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2品目はテーブルでたっぷり熱々スープが注がれる色鮮やかなプレート。「グリーンアスパラガス、グリンピース、ラングスティーニ、トマト」と野菜沢山でさっぱりヘルシー。そう言えばここで中田英寿プロデュースの日本酒も出て来たな。メインは「黒毛和牛テンダーロイン」で、デザートは「レモンケーキ」と続く。
スタートがかなり遅れた事もあり、さすがに長丁場で疲れたわ~と言う事で、その後は宿泊する同ホテルの「アンダーズ スカイ スイート」に2人いそいそと帰る(笑) 部屋ではまったりワインやカクテルを楽しみ、長く慌ただしい一日を振り返りつつ夜が更けていくのであった。

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