8月はどこにいても夏休みの賑やかさ。忙しい中でも避暑地気分で静かに過ごしたいね~と言う事で、今回選んだ宿泊先はこちら。3年間の建て替え工事を経て2012年リニューアルオープンした格式と歴史を誇る「パレスホテル東京(Palace Hotel Tokyo)」。御存じ丸の内1丁目1番地1、皇居外苑・内堀通りと和田倉濠公園に面する素晴らしいロケーションよ。
都心のど真ん中でこれだけの自然と静けさを感じられる所はないわ。1947年に国有国営「ホテル テート」として皇居前に開業し、1961年に「パレスホテル東京」となった。以前はビジネス仕様がメインのイメージがあったがリニューアル後は一変、プライベートで使えるラグジュアリーホテルになっている。1階ロビーエントランスには大きなアート、片山雅史作「皮膜/向日葵」が華やか。

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更に入って6mと言う天井高のメインロビーには美しいフラワーアレンジメント。ラウンジとの境には黄金の彫刻、中林丈治作「Landscapes of The Palace」がキラキラ輝く。ロビー奥の正面には和田倉濠を背景に手向山紅葉、庵治石の庭が絵画的に見える。天井の照明もモダンで個性的。エレベーターまでのアプローチには墨絵の、酒井祐二作「Layer-B」。とにかくあちこちにアートが飾られいて目移りする。
聞けば館内には、オブジェや絵画などが約720点も飾られているそう(9割が日本人若手作家)。コンセプトは「美しい国の、美しい一日がある。Experience the Heart of Japan.」で、日本の文化や技術、素材などを活かした内装になっている。地上23階建全290室、以前は400室程あった客室を減らし、レストランも12店舗を10店舗にして、ゆとりを追及したとの事。

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担当したインテリアデザイナーはイギリス拠点のオーストラリア人、テリー・マクギニティ(Terry McGinnity/GAデザインインターナショナル)氏。あ~なるほど!彼は「コンラッド東京」や「セントレジス大阪」なども手掛けているわ。まずはチェックイン、車を降りた時に名前を告げていたので、そのまま19階の「クラブラウンジ」に案内される。
宿泊フロアは廊下の照明が落とされ、グッと落ち着いた雰囲気。ダークブラウンのシックなラウンジは、手前にソファスペース、奥はテーブルスペースとなっていて、時間によって朝食やイブニングカナッペ、各種飲物などが提供される。プライベートルームも併設され、見晴らしの良いテラス席もある。こちらも壁には絵画、木村友香作「あわい」や、藤堂良門作の不思議な石オブジェがいくつか飾ってある。

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そんな中、窓際のテーブル席でウェルカムドリンクを頂きつつ、リラックスした状態で手続きする。そうそうこの時、クラブラウンジの特典として頂いたのが、オリジナルブレンドアロマで作った「ピローミスト」。3種類ある中から好きな香りが選べる、これは珍しい。加えて1滞在につき、1室あたり3点までプレスサービスが無料、これも助かるね。と言う訳で一息ついたら部屋に案内してもらおう。
今回の部屋は21階「パークスイート(Park Suite)」120m2、1泊30万円程度。まずは部屋に入ってエントランスが広いのに驚く。ベンチまである(トイレも)。壁にはジャウマ・アミゴー作の大きな絵画。これは和紙にミクストメディア、風がまき散らした地面の落ち葉を表現していると言う。更にエントランス奥には片桐宏典作「Eclipse Prominence」。

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スウェーデン産黒御影石の彫刻が、照明に浮かんでいる。その滑らかな円は所謂「窓」、異次元空間に向かう入口と言う事か?!確かにそこから繋がるのが異次元空間?な「リビングルーム」。横長にずっと広がる大きなガラス窓の向こうには、目を見張る程の素晴らしいパノラマビュー!まさかの江戸城皇居が、眼下すぐ側に一面に広がっているわ。
都心中都心でありながら、これだけの自然を間近に感じられるのは他ではない。何とも贅沢な世界・・木々に包まれた静けさを目でも感じる。部屋を見渡せば山吹色やベージュをベースに、紫や草色で彩られたモダン和のインテリア。奥の鏡には、銀箔が美しい東端唯作「千波矢」が掛けられている。

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その前のダイニングテーブルには、ウェルカムアメニティとしてマカロン3種とベリーや葡萄が置かれていた。対面には白い観音開きのキャビネットがあり、扉を開いてみるとミニバーだった。エスプレッソマシンやグラスも揃っている。テレビ方向のカウンターには、南部鉄器の急須と湯のみセットもある。そうだせっかくだからルームサービス、シャンパンをボトルでお願いしようよ♪
「自然に包まれる感じにピッタリでしょ?」と主人が選んだのは「ペリエ・ジュエ ベル・エポック(Perrier Jouet Cuve Belle Epoque Blanc) 2006年」。開放的で明るい空間に植物アートなボトルが合うわ。目の前で抜栓、若いホテルマンが静かにサーブしてくれる。キラキラ美しい泡とエミール・ガレのアネモネが、草花柄のカーペットや植物モチーフのアートなどに馴染む。洋ナシ・白い花・ナッツ・・

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穏やかな香りは上品、甘さひかえめで少しミネラル。優しい味わいはアフタヌーンシャンパンにピッタリね♪ そして、リビングルームのお隣はベッドルーム。寝室窓際のソファに座って気が付いた、テラスがある?!テーブルセットも見えたのでグラス片手に外に出てみた。目の前に直線に伸びる日比谷通りと内堀通り、そして和田倉濠。
緑と水を間近に感じる素敵な眺め、そして心地よい風・・ベル・エポックも一層甘く爽やかに味わえる。そんな「寝室のテラス」に繋がる奥の位置には、何と大理石のバスルームがあった。バスタブがバルコニーに向かって配置してある「ビューバス」なのよ!これは珍しい場所に作ったものだなと思わず二度見。やや狭めの空間でタオルも少なめだけど、明るくて視界が開けているので圧迫感はない。外が丸見えなのでちょっとドキドキもしちゃう(もちろんブラインドが降りる)

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一応Wベイシン、ジェットバスにレインシャワーもあって最新設備。バスルームにも案内が備えてあったが、ここパレスホテル東京には「エビアン スパ」があるの。仏エビアンリゾート内にある、世界有数のデスティネーションスパの日本初上陸。ネイルケアも出来るようになったみたいなので、ボディやフェイシャルなどと組み合わせて使えそう。
と言う事で注目はバスアメニティ。そんな「エビアン スパ」と同様、日本初登場の「アンヌ・セモナン(ANNE SEMONIN)」だったんだけど、昨年からスイートルームのアメニティが変更された。現在並ぶグリーンのボトルは「バンフォード(bamford)」、これも日本初登場。イギリス・コッツウォルズ生まれのオーガニックブランド「バンフォード」は85%の製品がソイルアソシエーション認定。

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レディ・キャロル・バンフォード曰く「環境に優しいライフスタイルこそが真のラグジュアリー」。スイート全室に備えられたのは「バス&ボディコレクション」の中でも、バンフォードを代表する「グリーン ウィークエンダー」。ボタニック・シャンプー&コンディショナー、ゼラニウム・ボディウォッシュ&ボディローション、そしてボタニック・ソープか。
ゼラニウムやラベンダー、ペパーミントのすっきりとした植物の香りは、正に大人の週末旅行にぴったり♪ ちなみにピンクのバスソルトは「アンヌ・セモナン」ね。さぁまた戻って、横長に広いベッドルームの壁には対なるアート、井出創太郎作「ピアチェール・ダモーレ・ブッシュ」が掛かっている。植物が芽生へ、茂り枯れていく時間の流れを表しているとの事。棚のオレンジと相まって、ナチュラルで穏やかな心地よい演出。

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リビングと平行に、玄関寄りの奥まった場所にあるその寝室はかなり静か。窓(テラス)からの距離もあるから光も外の気配も感じる事無く、遮断された感覚がありしっかり眠る事が出来た。まだ新築からそう経っていない事もあり、シモンズ社製のベッドも枕もフカフカで、リネン類も肌触りが良かった。ちなみにここ「パークスイート」はベッドがツインだが、もう1つ20階にある同間取りの「テラススイート」はキングベッドとなっている。
ベッドルームのテラス側に繋がるのがドレッシングルーム。小さいながらも女性には嬉しいスペース。
それに隣接して奥にウォークインクローゼット、反対側がバスルームになる。さて、モダンでコンテンポラリーなテリー・マクギニティ氏による和の内装デザインは、日が差し込む日中は穏やかな温かみを感じさせ、夜はまた違ったしっとりと落ち着いた空間になる。窓外の石垣や皇居の森は、闇と一体化し海の様に深く佇む。

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日比谷通りや内堀通りは滑走路の様に美しく浮かび、和田倉噴水公園や外苑の街灯が星屑の様に煌めく。遠くには点滅する高層ビル群、その中心にはアクアブルーに灯る東京タワー。絵画の様な夜景は、この場所でありながら雑踏から距離がある静けさで何とも心地よい。静かな寝室でぐっすり眠った翌朝は、テラスに出て和田倉庭園の景色を、朝の澄んだ空気と共に満喫する。
都心の緑に包まれた江戸城皇居周りには人影もない。特にリビングの窓は大きいので、視界広く朝の清々しさを実感できる。パレスホテルでは客室だけでなく、レストランやラウンジ、宴会場からも外の風景が美しく見えるように、窓を前面に設計している。その結果か、近年ホテルの朝食ブッフェNO.1と噂されるのが、1階オールデイダイニング「グランド キッチン」。

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和田倉濠と緑豊かなテラス席は終日とても人気だそう。そう言えば以前チェリ~が「ルームサービス」の朝食を褒めていた。それならばと今回私達も珍しく「クラブラウンジ」の朝食を頂きに行ってみた。19階、遅い時間だったため既に食事を終えてラウンジを出て来る人も少なくない。入って一番奥の窓際へ座る。側のブッフェカウンターを見ると予想より多めの品数。
まだ料理入れ替えも頻繁に行われていた。パン類はラウンジ中央辺りに別に配置されている。フレッシュフルーツ・サラダ・シリアル・チーズ・ヨーグルト・ベーコン・ソーセージ、玉子・温野菜などなど。カフェオレ・紅茶・低速ジューサーもあったね。適度につまむ程度であったが定番料理の品数が多く、いつぞやの外資系クラブラウンジ朝食より美味しかった。

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食後、散歩ついでに地下のペストリーショップ「スイーツ&デリ」に行く事にする。ホテルメイドのスイーツやパンがあるので、お土産を購入しよう。中林丈治作「Circle #1」を見ながら降りるも、昼前にも拘わらず誰もお客がいない・・すぐ近くの「ペニンシュラ・ブティック」だともう行列が出来ているだろうね。
ショーケースにはケーキや「千代ちょこ」、フロアにはパン類、棚にはデリや焼き菓子など一応沢山並ぶ。入口付近には桐箱と熨斗紙で包装した日本酒ケーキ「壱ノ壱ノ壱」も飾られていた。予想とは違う店のイメージだったが、取りあえず的に買い物してまたエスカレーターを戻ると、1階ロビーラウンジはウェディング関係で騒がしくなっていた。そうだランチは以前伺った6階「鮨かねさか」でも良かったかな。

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これから食欲の秋そして芸術の秋、パレスホテルには秋をテーマにしたアートも沢山あるね。皇居と和田倉濠公園を囲む木々が色づく頃、また「大人の休日」を楽しみに訪れると良いかもしれない。そんな事を話ながら、誰もいなくなったクラブラウンジでチェックアウトし、車に乗り込み次の目的地に向かった。