前回に続き、この夏で開業20周年を迎えた「パークハイアット東京(Park Hyatt Tokyo)」のお話。いよいよ「プレジデンシャルスイート(Presidential Suite)」で過ごす我が家的休日と行こう。そこはラグジュアリーホテルの粋を集めてデザインされたと言う最高峰のスイートルーム。案内されるのは51階、宿泊者専用エレベーターの真裏の空間は全てこの部屋の為のスペースとなる。
入り口、両開き扉の両脇には結城美栄子氏作の仮面が浮かび、いかにも最高ランク。暗めでシックな廊下から一変、中に入るとそこは光に満ちていた・・コンセプトは「欧米の高級個人邸宅」。「パークハイアット東京」と言えば、グリーンのカーペットに黒い家具のシックモダンのイメージが強いが、この部屋は全く違っていた。入って正面にある「リビングルーム」は、明るく温かみにあふれたエレガントな空間。

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その先に広がるのはひたすら空で、何とも開放的♪目に入るのは美しい書籍の数々・・広いリビングルームのコンソールやテーブルに所狭しと並べられるのは、なんと世界各国「ガーデニング辞典」。まるでそこに花々が咲き誇るかの様に色取り取り重ね並べてある。鏡壁には額に入った「植物のモノクロ写真」と照明が並び洗練モダン。
フローリングに茶系のカーペットに大きなソファ、緑のクラシック調の椅子、観葉植物、玄関側壁には中国出身の画家マーティン・ファン(Martin Fung)氏作の大きなアート・・このリビングは「庭園」なのだと思う。窓際にグランドピアノ。51階から見下ろす新宿の景色は素晴らしい、しかもこの部屋はさすが290m2もあるので視界が広い。

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リビングルームを挟んで左に「ライブラリー」と右に「ダイニングルーム(キッチン付)」があり、3エリアが繋がる窓から見下ろすパノラマは得も言われぬ風情よ。ライブラリーには52型薄型TVにCD&DVDプレーヤー、大きなソファーセットや椅子。2面の書棚とリビング同様マーティン・ファン作のアートに囲まれる様に、丸いデスクが置かれている。
本棚には旅やアジア文化・芸術などを中心にした書籍が並び、日本のアートも壁に飾られていた。部屋の色調も少し濃い緑やパーフルの印象も加わり、「庭園(リビング)」から少し「森」に入った様な落ち着いた雰囲気。初めてじゃないような居心地の良い図書室で、私は滞在中こちらにいる事が多かった。まずは運ばれたウェルカムアメニティの「ルイ・ロデレール ブリュット・プルミエ(Louis Roederer Brut Premier) 20周年記念ボトル」で乾杯をしよう。

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フレッシュフルーツは「青森産王林」「山梨産桃」「山梨産プラム」、甘く良い香りが漂うわ。開業当時は100万円を超えたこの「プレジデンシャルスイート」も今は通常1泊80万円程度かな。広々290m2の中に「リビングルーム」「ライブラリー」「ダイニングルーム」「キッチン」「ベッドルーム」「テラス風書斎」などそれぞれ工夫が凝らされたゴージャスでエレガントな世界が広がっている。
各所に置かれたアートや調度品、そして沢山の本で演出された部屋部屋・・・誰かが住んでいるかの様な落ち着いた温かな雰囲気。コンセプトは「欧米の高級個人邸宅」と言うのが納得できる、タイムレスなラグジュアリーさを感じる空間よ。面白いと思ったのは「空虚・空白のなさ」。家具やアートを所狭しと配置し、最高級スイートにありがちな「広すぎる」を感じさせず、敢えて生活感を漂わせ温かみを演出している。

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それは緻密に計算された空間美で、これこそがジョン・モ―フォード(John Morford)氏のなのだと実感する。リビングは「庭園」で隣のライブラリーは「森」、そこから壁紙やカーペットがダークグリーンになってベッドルームはなんとまるで「ジャングル」!緑の大理石が豪華なバスルームは、動物たちがいっぱいいる「サバナ」みたい?!何とも楽しい贅沢さに笑ってしまう。
沢山の書籍が並ぶ「ライブラリー」のソファに座ってシャンパン片手に、フランス出身のペストリーシェフ、アントニー・ステットレー(Anthony Stettler)氏こだわりの「ショコラ」「パート・ド・フリュイ」を楽しむ。壁のアートや並ぶ写真集の置き方などを眺め「こんなに知性や芸術を感じる部屋も世の中にそうあるまい」などとしみじみ見渡す。

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以前泊まったグランドハイアット東京「プレジデンシャルスイート」の、快楽的贅沢な部屋も好きだが、こう思考を巡らすインテリジェンスな部屋も落ち着くわ。自然素材とアースカラーの開放的な「リビングルーム」「ライブラリー」と来て次は奥の「ベッドルーム」。玄関からとライブラリーから繋がる廊下は、壁やカーペットに扉もがダークグリーンで、ちょっと暗い森の中に迷った感じになる。
「ベッドルーム」に入ってからも壁やカーペットはダークグリーンで、キングベッドが2つ並んでその白いリネンが輝く様に浮かんでいる。ベッド自体も壁紙と同じダークグリーン(マニラ麻素材!)、サイドテーブルのクロスまで統一した徹底ぶり。壁に埋め込まれたモノクロ写真がいかにもパークハイアットらしい。そうここは「森の奥」、そしてそこから窓に向かってのテラススペースが良かった。

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ダークグリーンの大理石で、壁も天井も鏡張り。カウチソファを囲む様に南国植物がいくつも置いてある。照明は落としてあくまで自然光を木漏れ日でといった風情。まさに「静かなジャングル」はとても気に入った。実はそこにはデスクがあり(電話2回線やネット回線)立派なワークエリア。奥まった静けさも手伝って主人は連日占領、オフィス化してしまった。
やっぱり深い森(深緑)は落ち着くのね。パークハイアットと言えばどの部屋でもベッドリネン「最高級エジプト綿100%」が印象的。個性的なインテリアの中に際立つ「真っ白」は効果的だといつも思っていた。この寝室はその最たる感じがして心地よかった。やはり我が家と同じ、ベッドはキングサイズのツインが嬉しい。

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ベッドに横たわると、テラス書斎側の鏡天井に都庁側の高層ビル群が映って良く見える。この辺もモ―フォード氏らしい細かさ。ジャングルの隙間から伺う大都会の景色は何とも面白い。前に広がる薄型テレビは60型のアクオス。暗い中に煌々と大画面も良い。それを囲む「緑」と言おうかパークハイアットらしい黒い棚、ここにも書籍が行儀よくシックに並ぶ。
昼間は静かで個性豊かなこの部屋は、52階「ニューヨーク・バー」の真下にある様でジャズ生演奏の音が少し響く(笑) 眠る頃には静かになっているからまぁ問題はないけどね。「寝室」から出た所にある広い「トイレ」(玄関にも広いトイレがある)や、ウォークインクローゼットと隣接する「ドレッシングルーム」から繋がる「バスルーム」には、大きな大理石のジャグジーの他、サウナとレインシャワーブースもある。

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緑・黒・市松模様の大理石が段差になって、鏡・ガラスも多様され、視覚的に迷路の様になって慣れるまで時間が掛かった(これも面白さ)。2つの洗面台から2段下がる様な不思議で豪華な造りの湯船は、バリアフルフルで手摺りは必需(笑)夜景を見下ろしながらちょっとした温水プール気分。ちなみに、籠に入った基本のバスアメニティは他の部屋同様、
クレンジングやローションなどの「バニティセット」に、「イソップ(Aesop)」の「マウスウォッシュ(50mL)」も入ってた。パークハイアットと言えばやはりこのオーストラリア発「イソップ」、もう10年以上変わらないね。さすが「プレジデンシャルスイート」には、それに加えて「イソップ」のスペシャル・バスアメニティが置いてあった!?洗面台には「フェブラス フェイス クレンザー(100mL)」

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「アンチ オキシダント トナー(100mL)」「プリム フェイシャル クリーム(60mL)」「ピュリファイング フェイシャルエクスフォリアント(75mL)」、どれも市販の大きなサイズで長期滞在向け。45階にあるスパ「クラブ オン ザ パーク」並みのラインナップよ。さらに箱入りの大きな石鹸「ボディ クレンジング スラブ(310g)」は、イランイランエキス配合でクリーミーで良い香り。
そうだ「リンド ボディーバーム(50mL)」は、トイレを含む各洗面台にそれぞれ置いてあった。シトラスの香りで爽快ながらしっかり保湿が夏にぴったりね。そうそうシャワーブース内には、「CL シャンプー(200mL)」「CL コンディショナー(200mL)」「ボディクレンザー 11(200mL)」とこちらも大ボトル。「イソップ」らしい知的で持続的なデザインは、まさにパークハイアットと相通ずる。

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各部屋に個性があって楽しい「プレジデンシャルスイート」。最後は寝室とは真反対一番端にある、専用キッチン付きの「ダイニングルーム」を紹介するわ。広いキッチンの食器棚には銀食器が並び、茶器やグラス類もさすがに豊富。ミネラルウォーター「エビアン」大ボトル数本と、業務用ネスプレッソマシンもあった。
冷蔵庫(ミニバー)2つの中には、「デリカテッセン」オリジナルジュースなどが美しく並ぶ。「ダイニングルーム」は、ただただ木の温もりに包まれた明るく穏やかなシンプルな空間。その「木」、実は普通の物ではない。「パークスイート」では各部屋の引き戸やベッドボードに、「ディプロマットスイート」では各部屋の引き戸や、リビングの飾り壁にも使われていた。

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これ、モ―フォード氏が使用を強く希望した独特の質感の木材。立ち木のまま数百、数千年単位で湖底や地中に埋まっていた旭川の「埋もれ木(楡)」なの。当然希少で入手困難。「リビング」にもデザイン的に各所、各部屋の引き戸に使われているが、この「ダイニング」は全面にその木の温もりがあふれている。
「ライブラリー」の書棚・テーブル同様、この8人掛けのダイニンングテーブルもそうね。なめらかで深みある手触りや風合いが上質な空間を演出する。はめこまれたモノクロ写真は、リビング・ベッドルーム同様に「植物」モチーフ。さぁ51階から見下ろす東京らしい景色と共に食事を楽しもう。今回は「開業20周年 ウィズ プレジャー(With Pleasure)」と言う事でスペシャル・ディナーがプランに付いていた。

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イタリアの画家ヴァレリオ・アダミ(Valerio Adami)の壁画が素晴らしい52階「ニューヨーク グリル」か、41階フレンチ「ジランドール」、40階和食「梢」のいずれかで楽しめるはずだったが、残念ながら夜は既に銀座「レストラン ドミニク・ブシェ トーキョー」や恵比寿「ガストロノミー ジョエル・ロブション」で食事する事が決まっていた。それでも「スペシャル・ディナーを頂きたいの」とお願いしたら、
2日目の「ブランチタイム」に特別メニューとして、「プレジデンシャルスイート」でのインルームダイニングで頂ける事になったの~!連泊の嬉しい所よね。加えてわざわざ「ジランドール」近藤宣之支配人がサーヴしてくれる♪ そこでまずは「ドン・ペリニヨン(Dom Pérignon) 2004年」をボトルでお願いして乾杯!・・と言う事でまた話が長くなったので、佐藤剛料理長の「スペシャル・ブランチ」の話は次回に持ち越し。続く・・

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